2012年10月12日

日本TDM学会作成抗てんかん薬のTDMガイドラインドラフト版その2

Tです。前回の続きです。
〈カルバマゼピンの要点〉

治療濃度域

412μg/mlだが8μg/mlを超えると副作用の頻度が高まる。←推奨グレードA

最初の治療目標は58μg/mlとし、患者の状態に応じて最大12μg/mlまで増量するのが良い。他の抗てんかん薬を併用している患者では副作用が生じやすいため、やや低めの48μg/mlが推奨される。

測定タイミング

基本的にトラフ濃度で採血し、定常状態到達(おおよそ34週間)までは12週間ごとに測定し、投与量・併用薬変更時にも測定する。←推奨グレードA
定常状態到達後に投与量を変更した場合、新たな定常状態到達まで45日かかる。定常状態到達前に投与量を変更した場合、それまでの投与期間に応じて定常状態到達まで13週間かかる。
カルバマゼピンの代謝を誘導あるいは阻害する薬物の併用が開始あるいは中止された時には定常状態到達まで12週間かかる。

その他

代謝酵素の自己誘導を起こすので、消失半減期は投与初期は1036時間だが連続投与では1024時間に短縮される。←推奨グレードA

重篤な肝障害患者、高齢者、妊婦には慎重に投与する。←推奨グレードA

活性代謝物のTDMはルーチンでの測定は必要ない。←推奨グレードC

カルバマゼピンの濃度は高くないにも関わらず副作用が現れている患者ではエポキシド体のTDMを勧める。

・カルバマゼピンの中毒症状
複視、眠気、知覚障害、眼振、運動失調、嘔気・嘔吐など。
血中濃度が治療域内であってもSJSが投与後13週間に発症することがある。



bigvoice212065 at 13:11│Comments(0)抗てんかん薬TDM 

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