2012年10月15日

日本TDM学会作成抗てんかん薬のTDMガイドラインドラフト版その3

Tです。
続きを記載します。
〈バルプロ酸の要点〉

治療濃度域

総バルプロ酸血中濃度40125μg/ml←推奨グレードA

本邦のインタビューフォームには40120μg/mlが治療上有効と記載されており、治療域の下限は40μg/ml程度が目安とされる。

上限に関して確固たるコンセンサスは無いが、部分発作患者ではしばしば80150μg/mlでコントロールが得られることがある。
米国精神医学会ガイドラインでは躁うつ病に対する治療濃度を50125μg/mlと定めている。

測定タイミング
初回投与後または用量変更後35日目以降に測定する。←推奨グレードA
トラフ濃度をモニタリングする。
他の抗てんかん薬など酵素誘導作用をもつ薬剤と併用により消失半減期が短縮するため、状況により早めの測定も考慮する。

一般的な体内動態について
治療用量範囲において、投与量と総バルプロ酸血中濃度は非線形を示すが、非結合形バルプロ酸濃度は投与量に比例して上昇する。←推奨グレードA
治療濃度域での蛋白結合率はおよそ7095%である。

特殊患者での体内動態について
病態や生理状態が特殊な患者では、総バルプロ酸血中濃度測定値のみに基づく判断は評価を誤る可能性がある。←推奨グレードB
腎疾患時などは総血中濃度を低下させるが非結合形の薬物動態には影響しない。
肝疾患時に低アルブミン状態を示している場合には非結合形濃度が上昇しているにも関わらず、総血中濃度は治療濃度域に入っていることがある。
高齢者は予想以上に非結合形バルプロ酸濃度が高い可能性を考慮し、臨床症状・経過に基づき投与量設定を行う。

特殊な患者群等の非結合形分率の上昇が予想される場合には状況により総血中濃度は低めの設定から様子を見るなどの配慮も必要である。

・その他
カルバペネム系抗菌薬の併用は禁忌である。←推奨グレードA


・バルプロ酸ナトリウムの中毒症状
毒性域は一般に200μg/ml以上とされているが、昏睡、せん妄は多くの場合100μg/ml以上、吐き気、嘔吐、傾眠、めまい、運動失調などの副作用症状は治療濃度域でも発現する可能性があるため、副作用に関する注意は常に必要である。



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