2013年01月08日

ADA&EASD合同の2型糖尿病のガイドラインその4

Tです。
ADAの新ガイドライン発刊のため、和訳も1月中には終わらせたいと思います。

(3の続き)
チアゾリジンはPPAR-γに作用して骨格筋のインスリン感受性を改善し、又、肝臓のグルコース生成を抑制する。チアゾリジンは低血糖リスクを増加させず、SU剤やメトホルミンと比較して効果の持続が長い。ピオグリダゾンは心血管イベントには最も有益であることが心血管障害の既往をもつ患者の大規模臨床試験の副次評価項目で示されている。心筋梗塞リスクの上昇と関連があり、あまり使われていない。ピオグリダゾンに関して、最近では膀胱ガンのリスクを上昇させる可能性が考えられている。はっきりしている副作用として、チアゾリジンは体重増加、浮腫につながる体液貯留及び/又は罹患しやすい患者は心不全、骨折リスクの増加にもつながる。

インクレチンシステムに注目した薬剤が出てきたのは最近である。注射型GLP-1作動薬は内因性GLP-1と同様の作用を示す。つまり、血糖依存的に膵インスリン分泌を刺激し、グルカゴン分泌を抑制し、胃排出を遅らせて食欲を抑える。GLP-1作動薬の主なアドバンテージは体重減少であり、多くの場合はそこそこだが、一部の患者においては劇的である。副作用は吐気、嘔吐で特に治療開始初期に生じやすい。膵炎リスク上昇に関しては結論は出ていない。DPP-4阻害剤は活性GLP-1とGIPの循環濃度を高める。DPP-4阻害剤の主な作用はインスリンとグルカゴンの分泌調節で、体重に変動はない。インクレチン製剤は多剤と比較して低血糖は起きにくい。

α-GIとコレセベラムは米国及び欧州ではあまり用いられない。α-GIは消化管からの炭水化物の吸収を遅らせる。コレセベラムは胆汁酸吸着剤であり、血糖効果作用のメカニズムは良く解っていない。主な追加効果はLDLコレステロール低下作用である。α-GIとコレセベラムはどちらも胃腸に作用し、α-GIは主に鼓腸、コレセベラムは便秘を起こす。ドパミン作動薬であるブロモクリプチンは血糖降下剤としては米国でのみ使用可能である。作用機序は良く解っていない。アミリン作動薬のプラムリンチドは通常は1型糖尿病患者のようなインスリン強化療法患者に用いられる。グルカゴン分泌を抑制し、胃排出を遅らせて食後高血糖を抑制する。

非インスリン製剤の血糖降下作用で強いのはメトホルミン、SU剤、チアゾリジン、GLP-1作動薬(HbA1cをだいたい1.0~1.5%低下させる)、弱いのはメグリニチド、DPP-4阻害剤、α-GI、コレセベラム、ブロモクリプチンである(だいたい0.5~1.0%低下)。ただし治療のタイプに関わらず、古い薬剤は一般的に高いベースラインのHbA1cで行われた臨床試験でテストされており、その事が治療効果を大きなものにしている。直接比較試験によれば血糖コントロールに大きな差はない。よって、投与回数や過去の副作用歴、コスト、その他の利点によって患者ごとの薬剤選択は導かれる。

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