2013年01月12日

ADA&EASD合同の2型糖尿病のガイドラインその7

Tです。
続きです。
②二剤併用療法
メトホルミンからさらに進んだ血糖降下療法の仮想シーケンスは図2にも記載している。単剤療法で~3ヶ月以上HbA1cの目標が達成/維持されない場合、次のステップとして二剤目の経口薬、GLP-1作動薬、もしくは基礎インスリンを追加する。特に、HbA1cが高いほどインスリンが必要となる。大体において、二剤目の追加によってHbA1cはおおよそ~1%減少する。アドヒアランスも検討した上で臨床的に意義のある血糖低下が見られない(たとえばノンレスポンダーとか)場合、薬剤を中止し、他の作用機序の薬剤に切りかえるべきである。長期間の効果比較試験のデータが不足しており、メトホルミンとどの薬剤が最も有効か、正式に提言することはできない。
従って、患者ごとに薬剤の利点と欠点を考慮し、決めるべきである。

いくつかの血糖低下薬は体重の増加につながる。これによりインスリン抵抗性マーカーおよび心血管系リスクが悪化する可能性がある。チアゾリジンに関しては当てはまらないかもしれない。チアゾリジンによって体重増加は起こるがインスリン抵抗性は改善するようだ。治療によって起こる体重増加が大幅な心血管系リスクにつながる明確なエビデンスは無いが、最適な薬剤を選択し、用量を調節して不要な体重増加を防ぐことは依然として重要である。

全ての薬剤に関して検討されるべきことは、全体としての認容性である。しばしば見られる低血糖が重篤であれば大打撃だが、マイルドなら単に焦らされる程度である。消化器系副作用は耐えられる患者とそうでない患者がいる。体液貯留は臨床上問題になる場合と、単に美容面での問題である場合がある。骨折リスクは閉経後女性に関しては重要であろう。

多くの状況において、血糖低下薬を選ぶ際、コストが重要な問題であることは認めざるを得ない。リソースが限られた条件下では安価な薬剤を選択すべきである。しかし考慮しなければならないのは、副作用やそれに関わるモニタリング自体がコストに影響するという事である。また、合併症の予防が、長期にわたる疾病にかかるコストの削減につながる可能性が高い。

bigvoice212065 at 20:26│Comments(0)海外糖尿病ガイド 

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