2013年02月20日
骨粗鬆症治療薬のまとめ1
Tです。
院内の勉強会で、骨粗鬆症治療薬について発表することになったので、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011」の薬物治療を各論からまとめようと思います。留意点はその後まとめます。(ガイドラインは順番が逆。)気になる人は、日本骨代謝学会HPより閲覧することができます。
〈カルシウム薬〉
・特徴
カルシウム薬によるCaの充足によりPTHの分泌が抑制され、骨の代謝回転が低下し、骨吸収も減少する。
明らかにCa不足が骨粗鬆症に影響を与えている場合(胃腸管切除,乳糖不耐症,極度の少食など)や、二次性副甲状腺機能亢進症を伴っている場合は効果が期待できる。
単独で用いられることは少なく、ビスホスホネート等の骨吸収抑制薬と併用されることが多い。
現在、骨粗鬆症の適応があるのはL-アスパラギン酸Caとリン酸水素Caのみだが乳酸Caも吸収率が良いので使われることがある。
投与量はこれまでの報告では500~2000mgの補充が行われているが、食事からのCa摂取と合わせて決定される。
副作用の最も頻度が高いものは胃腸障害である。特に便秘の発生は減量の目安となる。単独での高Ca血症はまれだが、活性型VD製剤併用時は注意が必要である。心血管合併症などの副作用を抑えるためにはサプリメントも含めて1回500mg未満の摂取量にすべきである。
・骨密度の上昇は期待できるか
最近のメタアナリシスの結果によれば、わずかな上昇効果があるかもしれない。
・骨折抑制効果はあるか
アドヒアランスが良好なら期待できるかもしれない。
・推奨グレード
骨密度:わずかではあるが上昇効果がある(グレードC)
椎体骨折:抑制するとの報告は無い(グレードC)
非椎体骨折:抑制するとの報告は無い(グレードC)
大腿骨近位部骨折:抑制するとの報告は無い(グレードC)