2013年02月23日

骨粗鬆症治療薬のまとめ3

Tです。
続きです。

              〈活性型ビタミンD〉

活性型ビタミンDは腸管でのカルシウムとリンの能動的吸収を促し、副甲状腺に対しては副甲状腺ホルモンの合成・分泌を抑制する。
骨の石灰化や骨芽細胞の成熟・分化に不可欠であり、ビタミンD受容体欠損、活性型ビタミンD合成障害は骨軟化症・クル病を発症させる。活性型ビタミンD3は腸管でのカルシウム吸収促進と、骨石灰化促進を介して骨密度を増加させると考えられている。
骨軟化症・クル病、骨粗鬆症、CKD-MBDの治療に用いられ、細胞増殖制御効果の利点から皮膚疾患である乾癬の治療にも応用されている。

・骨密度に対する効果はあるか
近年の大規模臨床試験での検討結果はほとんどない。検討は少数例であり、腰椎・大腿骨頸部を中心としたDXAにより骨密度を評価した報告が少ない。
しかしビスホスホネートほどではないが、腰椎での骨密度をプラセボに比して有意に高値に保つことが示されている。ただし,プラセボと比較しても大腿骨頸部骨密度を有意に増加させるという報告は少ない。

・骨折抑制効果はあるか
椎体に関しては、カルシトリオールとアルファカルシドールを統合して検討したメタアナリシスにおいて、有意な骨折抑制効果を認めていない(アルファカルシドールのみでのサブ解析では有意な骨折抑制効果を認めている)。非椎体骨折に関しては両者統合で有意な骨折抑制効果が認められている。
最近の研究では,アルファカルシドールはアレンドロネートと併用すると長管骨骨折を有意に減少させたことも明らかになっている。

・QOLに対する効果はあるか
転倒抑制効果に関しては、天然型ビタミンを含むメタアナリシスと活性型のみでのRCTが報告されている。
基礎的研究では,大腿骨頸部骨折例の筋組織において、ビタミンD充足群に比べて欠乏群ではⅡ型筋線維の萎縮が確認されている。高齢者にビタミンDを補充すると体幹の揺れや転倒が減少することが報告されており,筋骨格系に対するビタミンDの効果が反映していると思われる。高齢者では筋組織内のビタミンD受容体量が減少していることも報告されている。

・評価と推奨
骨密度:グレードB
椎体骨折:グレードB
非椎体骨折:グレードB
大腿骨近位部骨折:グレードC

活性型ビタミンD3薬は長期間の安全性も示されており、高齢者への使用が推奨されるが、高カルシウム血症には注意する必要がある。
他の薬物との併用では基礎薬として有用性を示す臨床成績が複数得られている。

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