2013年03月04日

骨粗鬆症治療薬のまとめ8

Tです。
骨粗鬆症治療薬のまとめの続きです。

③リセドロン酸(第三世代)

・骨密度に対する効果はあるか
メタアナリシスによると、連日5 mg投与は腰椎と大腿骨頸部の骨密度を上昇させる。
国内の臨床試験で、週1 回17.5mg 48 週の投与は腰椎骨密度上昇率は2.5 mg/ 日連日投与に劣らないことが認められた。
海外の臨床試験では、5 mg/日投与による大腿骨頸部と大腿骨転子部の骨密度上昇がプラセボより有意に大きいと報告されている。また週1 回35 mg投与は連日5 mg投与と同様の効果であった。
男性骨粗鬆症でも海外の週1 回35mg の2 年間のリセドロネート投与は女性骨粗鬆症と同様に腰椎骨密度を上昇させる。
国内の2.5 mg/ 日連日投与の12 ヵ月の特定使用成績調査において、男性の腰椎骨密度増加は女性の増加率と同等であった。

・骨折抑制効果はあるか
メタアナリシスによると椎体骨折、非椎体骨折、すべての骨折、臨床骨折の抑制効果があると報告されている。
17.5 mgの週1回投与は2.5mgの連日投与と椎体骨折の抑制効果が同等である。
海外の2つの大規模試験(連日5 mg)では、3年間の新規椎体骨折リスクをそれぞれ41%、49%抑制し、抑制効果は投与開始後1年目からすでに認められた。また、非椎体骨折についても発生リスクを40%低下させた。
大腿骨頸部骨折を主要評価項目とした海外の大規模臨床試験(連日2.5 mg,5 mg)では3 年間のリセドロネートの効果が検証された。特に70 ~ 79 歳の骨粗鬆症患者での大腿骨頸部骨折発生率は40%抑制された。
試験開始時にすでに椎体骨折を有していた例では60%の抑制効果が認められた。
骨粗鬆症以外の骨折危険因子のみの患者では、有意に抑制されなかった。

・QOLに対する効果はあるか
国内の連日2.5 mg、 96 週投与の臨床試験で、投与前と比較して日常役割機能(身体)、体の痛み、活力、社会生活機能を改善した。

・評価と推奨
骨密度:グレードA
椎体骨折:グレードA
非椎体骨折:グレードA
大腿骨近位部骨折:グレードA

bigvoice212065 at 07:31│Comments(0)骨粗鬆症治療薬のまとめ 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
ギャラリー
  • 第79回九州山口薬学大会に行ってきた3
  • 第79回九州山口薬学大会に行ってきた3
  • 第79回九州山口薬学大会に行ってきた3
  • 第79回九州山口薬学大会に行ってきた2
  • 信州に旅行に行ってきました3
  • 信州に旅行に行ってきました3
アクセスカウンター
  • 累計: