2014年07月02日

SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーその2

Tです。
 SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーの訳の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

EXECUTIVE SUMMARY

皮膚軟部組織感染(SSTI)に関する新たなガイドラインの提言を以下にまとめた。Figure 1(原文を参照)は、MRSA時代における皮膚膿瘍、癤(せつ)、癰(よう)といった局所の化膿性ブドウ球菌感染のマネージメントを簡略化したものである。加えて、Figure 2(原文を参照)は手術部位感染患者へのアプローチをシンプルにするために示したものである。研究班は他のIDSAガイドライン作成に利用されたプロセスに従った、つまりGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluation)システム(Table 1(原文を参照))を用いて推奨の強さとエビデンスの質を体系的に重み付けした。提言に関する詳細な方法、背景、エビデンスはガイドライン全文に記載されている。

Ⅰ.膿痂疹および膿瘡の評価・治療には何が適しているか?
1.膿痂疹および膿瘡の皮膚病変からの、膿や浸出液のグラム染色と培養が、起因菌が黄色ブドウ球菌かβ溶血性レンサ球菌かの識別には推奨される(strong, moderate)が、典型的なケースではグラム染色や培養無しに治療するとリーズナブルである(strong, moderate)。
2.水疱性および非水疱性膿痂疹は内服や局所の抗菌薬で治療可能であるが、多くの病変があったり、流行中に感染の伝播を抑えるには内服治療が推奨される。膿瘡の治療は抗菌薬の内服治療を行うべきである。
a.水疱性および非水疱性膿痂疹の治療はムピロシンもしくはレタパムリンを1日2回5日間(strong, high)。
b.膿痂疹および膿瘡の経口療法は、検体からレンサ球菌のみが検出されない限り、黄色ブドウ球菌の活性をもった抗菌薬を7日間処方すべきである(その場合経口ペニシリンが推奨)(strong, high)。膿痂疹や膿瘡から黄色ブドウ球菌が検出された場合、普通はメチシリン感受性であるので、ジクロキサシリン又はセファレキシンを推奨する。MRSAが疑われる、もしくは確認された場合、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、ST合剤が推奨される(strong, moderate)。
c.溶血性レンサ球菌の流行時の感染時は、化膿性レンサ球菌族の糸球体腎炎を排除するために抗菌薬の全身投与を推奨する(strong, moderate)。

(・・・続く)

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