2017年09月01日

第34回和漢医薬学会に行ってきた3

Tです。
第34回和漢医薬学会1日目の午後からは特別講演に参加。
近年、漢方はがん領域でのエビデンス蓄積が目覚ましいです。といっても、がん自体を漢方で治療するといった話ではなく、がん化学療法による副作用の予防・軽減のためのサポーティブ・ケアとしての使用です。
2015年に日本がんサポーティブケア学会が誕生し、部会の一つとして漢方部会が存在しますし、日本東洋医学会の取り組みとして「漢方エビデンスレポート」をHP上で公開している中で、がんサポーティブケアに関する文献は48件も見られ、漢方の支持療法は60%のRCTで有意な有効性を示しています。
こういったエビデンスの蓄積により、がん医療の副作用を漢方併用で予防・治療することが標準的となる時代が来ているのかな?と感じる講演でした。

その後は1日目のポスター発表を聞きに行きました。(俺は発表は2日目でした。)今回の和漢医薬学会でJADERを用いたポスター発表は俺のものも含めて3件、大学レベルではJADERはかなりポピュラーなものだという認識を持ちますが、市中の病院や薬局からの発表があまり見られないのはイマイチ普及が進んでないようにも思えます。

そのJADERを用いた発表の内の一つはPMDAに報告された漢方副作用症例と添付文書症例とを比較した研究。肝機能障害と間質性肺炎の2つの副作用に関して年齢、性別、投与期間などを比較されていました。
PMDAに報告された症例は欠損値が多く、それらを除外したデータの解析に信憑性があるのか、常々疑問に思っていたんですが、このポスター発表を見る限りは添付文書症例と大きな差は無く、有意義な解析になりうる可能性を感じました。

もう一つはPMDAの医薬品副作用データベースを用いた腸間膜静脈硬化症の解析。年齢、性別、服用期間、併用薬などの集計、解析もなされていました。


bigvoice212065 at 13:10│Comments(0)Tの記事 

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