2018年11月10日

第79回九州山口薬学大会に行ってきた2

Tです。

午前中はポスターを貼って、他の貼られているポスターを見学。今回は同じ地区からの発表が多く、結構目立つ発表もありました。

午後からはシンポジウム2に参加。
シンポジウム2はポリファーマシーへの薬剤師のアプローチをどのようにすべきかを考えるシンポジウムでした。「矢吹拓先生の講演が面白い」と事前に知り合いから話を聞いていたので基調講演はかなり期待していましたが、話を聞いてビックリ!先生の話は別の所で聞いたことありました。

内容は究極の所、2つの論文に集約されます。
1つ目の論文は、コクランが行ったポリファーマシーへの介入に関するシステマティック・レビュー。注目すべきはポリファーマシーへの介入で、患者の入院やQOLに影響を与えない点です。これは、ポリファーマシーの解消は患者の予後に寄与しないという事であり、ネガティブな見方をすれば、ポリファーマシーを解消しても別に患者さんの状態は良くならない、という事になるけどポジティブな見方をすれば、薬を減らしても別に患者さんの状態は悪くならない、という事になります。医療経済学的観点で考えるなら、ポリファーマシーの解消は患者さんの状態を悪くせずに医療費を削減できるのはとても素晴らしい事ではあるが、患者さんのQOLの改善を目的とした場合にはそれほど有効な手段ではない。このあたりは専門の先生方にPro&Conで語っていただくと面白いと思います。

2つ目の論文は、JAMAに掲載された薬剤師の介入に関するRCTの結果です。いくつかの因子で有意な予後の改善が見られたという結果が出ました。その因子とは、患者のヘルスリテラシー及び職種間の情報共有・連携でした。

処方された薬を薬剤師が調剤する際に上手く患者に情報を伝える事で患者のヘルスリテラシーを向上させることが、患者の予後に寄与する事になり、そのためのテクニックが重要になる。テクニックは以下の4つの手法が挙げられました。行動経済学的視点は最近の流行りですね。
・行動変容モデル
・LEARNのアプローチ
・動機付け面接
・医療における行動経済学的視点

ところで今回、九州山口薬学大会はB級グルメとコラボ?してまして、大分各地のB級グルメのブースが出来てました。1日目はランチョンに参加せず、B級グルメを堪能!温泉プリン美味しかったです(^^)
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bigvoice212065 at 21:42│Comments(0)Tの記事 

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