World Health Day 2011

2013年06月24日

World Health Day 2011のWHOのコメントその1

Tです。
World Health Day 2011に、WHOが
「Combat drug resistance: no action today means no cure tomorrow」
のタイトルでコメントしています。
World Health DayとはWHOの設立記念日のことで、4月7日がそれに当たります。
2011年のコメントは抗菌薬耐性についてのものでした。
俺の英語能力はあまり高くないので、1回で全て訳すのは厳しいです。
これから複数回に分けて訳していきたいと思います。
(以下、誤訳の可能性があるので、気になる人は原文を読むことを勧めます。)

「薬剤耐性との戦い:今日何もしなければ明日は治療法がなくなる」

1940年代に抗生物質が登場したとき、現代医学の奇跡、「特効薬」として喝采を浴びた。それは当然である。毎年何百万人の人を殺した感染症が、今では治療可能なのだから。梅毒、淋病、ハンセン病、結核のようなメジャーな疾患は多くの場合、苦しまなくなった。レンサ球菌性咽頭炎や小児の傷膝のようなコモンな疾患による死亡リスクは事実上なくなった。

抗生物質の強烈なインパクトは新薬の発見に革命をもたらした。人間のコンディションは劇的に良くなり、平均寿命は大幅に伸びた。

このWorld Health Dayでのメッセージは明確である。世界はこの奇跡の治療を失う瀬戸際にある。

(・・・続く)

bigvoice212065 at 20:47|PermalinkComments(0)

2013年06月26日

World Health Day 2011のWHOのコメントその2

Tです。
続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

薬剤耐性菌の出現、そしてその拡大が加速している。どんどん治療に必要な抗菌薬は使えなくなり、therapeutic arsenalは縮小してきている。抗菌薬が失われていくスピードは、代わりになる薬の開発を上回るペースである。実際、新規抗菌薬の研究開発パイプラインは枯渇してきている。

その影響も明らかである。すぐに修正し、薬剤耐性菌の出現・拡大を防ごうとしなければ、世界は抗菌薬の次の時代へ向かう。つまり、多くのコモンな感染症を再び治療できなくなり、死んでいくのを止められなくなる。ガン治療、外科手術、臓器移植のような救命・延命処置を行った患者を、再興した致死的な細菌が脅かす、という意味合いもある。病院は現在、高度耐性菌の温床となっており、そういった処置は危険になる。

病院の「superbug」は大きな見出しになるが、こういった特に致死的な病原体は過度に大げさで、不安をあおった言い回しをされている。(この辺の訳は自信ありません)

(・・・続く)

bigvoice212065 at 00:46|PermalinkComments(0)

World Health Day 2011のWHOのコメントその3

Tです。
続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

耐性の獲得は自然な生物学的プロセスであり、遅かれ早かれ全ての抗生物質で起こってくる。感染症に抗生物質を、一定量、一定期間投与することで、細菌に対して死ぬか適応するかのどちらかを強制する。この現象は、「selective pressure」として知られている。適応し生き残った、耐性遺伝子を運ぶ細菌は、人-人を介して、急速に世界中に広がる。

この自然に起こるプロセスは、処置・治療・方針の失敗が増えるほど、それが原因でより急速に進む。全体として、世界はいつ失われてもおかしくない治療法に、しかるべきケアを行って調整することに失敗している。誰もが、古い薬が治療に失敗するようになっても、新しく、より良い、より強力な薬に変えれば、奇跡の治療法は永遠に続いていく、と思っている。実際の傾向はそうではない。

杜撰な治療やflawed assumptionsは、必然的に薬剤耐性が進むのを早める。マラリアのような疾患に対し、治療の選択肢は非常に限られており、唯一の効果的な治療法(アルテミシニンをベースとした併用療法)は毎年2億人以上の熱帯マラリア患者に用いられている。新薬が官民の協力体制で、Medicines for Malaria Ventureにより開発中ではあるが、アルテミシニン耐性の兆候は、既に出てきている。

bigvoice212065 at 21:40|PermalinkComments(0)

2013年06月27日

World Health Day 2011のWHOのコメントその4

Tです。
続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

同様に、感染性下痢症や呼吸器感染による小児の死亡を減少させることが難しくなってきている。結核による死亡も減少しているものの、年間50万人近くの人が多剤耐性結核菌を誘導し、そのうちの三分の一は死亡している。これらは、留意しておかなければならない強烈な警告の、いくつかの例に過ぎない。

我々には、この状況を変える責任がある。抗生物質の理不尽かつ不適切な使用は、薬剤耐性を進行させる最大の要因である。不適切な使用には、overuseも該当する。抗生物質はあまりにも自由に供給され過ぎている。時には「念のため」、時には患者が欲しがるから、多くの場合、医師及び薬剤師がお金を稼ぐために。


注)当ブログの記事を読んでいる人はだいたいわかっていると思いますが念のために書いておきます。日本において、抗菌薬を処方・調剤して得られる正当な報酬は微々たるものです。お金を稼ぐために抗菌薬を処方・調剤する医師・薬剤師はまずいないと思いますが・・・

bigvoice212065 at 06:07|PermalinkComments(0)

2013年06月28日

World Health Day 2011のWHOのコメントその5

Tです。
続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

不適切な使用には、underuseも該当する。経済的に貧しいと、菌を完全に殺しきるために必要な治療を完遂する前に、患者自身が良くなったと思った時点で治療を中止してしまいがちである。不適切な使用には、misuseも該当する。抗生物質が誤った疾病に投与される場合、多くは診断をつける検査が行われていない。

多くの国において、抗菌薬の市販を止められない事や、抗菌薬は資格を持った者のみ扱えるように出来ない事、市場での製品の質が守られない事も、不適切な使用につながる。

不適切な使用には、食品工業のなかで、成長促進及び予防の為に用いられる、抗生物質の大規模なルーチン使用も含まれる。一部の国では、抗生物質の総積量のうち50%以上を食肉動物に使用している。加えて、一部の国の獣医師は抗生物質の販売が、収入のうち少なくとも40%以上を占める。そのことが、抗生物質の使用を制限しようとしても、大きな阻害要因になっている。問題なのは、食品工業で用いられる抗生物質が、人間の健康にとっても重要である点である。動物で誘導された薬剤耐性菌が、人間に感染することが出来るというエビデンスがある。

(・・・続く)

bigvoice212065 at 06:56|PermalinkComments(0)
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