食物繊維の有用性
2014年01月04日
臨床における食物繊維の有用性6
Tです。
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
どのような食物繊維を使用すべきか?
いくつかの食物繊維は便重量を増加させる。生ふすま、野菜や果物は調理されたふすま、オオバコ、オーツ麦、ガムや粘質物(?)より効果的である。大豆多糖類やペクチンは若干効果がある。それぞれの食物繊維グループ内で便重量の変化に大きなバラツキがあることは考慮しなければならない。
バラツキの原因は個人差による部分もある(?)が、研究デザインのバラツキや、いくつかの研究ではuncontrolled dietsが用いられていた事実もある。大きな問題として、食物繊維の測定法に一貫性が無い事が挙げられる。この類の研究において、約20種類の測定法が用いられていた。
腸疾患において食物繊維を利用する際の勧告
・便秘
便秘は疾患というより症状/症候群である。いくつかの患者群に対しそれぞれのニーズがあるが、推奨できるようなRCTによるエビデンスは不充分である。通過遅延による便秘、肛門の閉塞(いわゆる直腸型便秘?)、治療関連の便秘(例えばがん患者におけるオピオイド投与)等がある。現時点では異なる患者群に対する治療ガイドラインを提言するにはエビデンスが不充分である。
全体として、食物繊維により便通の頻度が少し増加することを示す、信用できるデータはある(週当たり平均+1.4~1.5回)(Recommendation A)。
食物繊維は硬便や痛みを改善するが、それに関する長期的なデータは無い。fibre sourcesが効果的である事に関して、エビデンスに基づいた推奨をするにはデータが不充分である。便重量の増加や通過時間の変化が症状の緩和や患者満足度を反映しない場合がある。患者の食物繊維の認容性(特に食物繊維の量/容量に関して)は重要である。
食物繊維(生のふすま、野菜や果物)は多くの状況で有益な可能性があり、主にセルフケアで利用されている。多くのデータがあるが、多くはuncontrolled studiesであり、エビデンスに基づくガイドラインには使えない。ライフスタイルや患者の好み、食物繊維の認容性は考慮すべき重要な事である。
(・・・続く)
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
どのような食物繊維を使用すべきか?
いくつかの食物繊維は便重量を増加させる。生ふすま、野菜や果物は調理されたふすま、オオバコ、オーツ麦、ガムや粘質物(?)より効果的である。大豆多糖類やペクチンは若干効果がある。それぞれの食物繊維グループ内で便重量の変化に大きなバラツキがあることは考慮しなければならない。
バラツキの原因は個人差による部分もある(?)が、研究デザインのバラツキや、いくつかの研究ではuncontrolled dietsが用いられていた事実もある。大きな問題として、食物繊維の測定法に一貫性が無い事が挙げられる。この類の研究において、約20種類の測定法が用いられていた。
腸疾患において食物繊維を利用する際の勧告
・便秘
便秘は疾患というより症状/症候群である。いくつかの患者群に対しそれぞれのニーズがあるが、推奨できるようなRCTによるエビデンスは不充分である。通過遅延による便秘、肛門の閉塞(いわゆる直腸型便秘?)、治療関連の便秘(例えばがん患者におけるオピオイド投与)等がある。現時点では異なる患者群に対する治療ガイドラインを提言するにはエビデンスが不充分である。
全体として、食物繊維により便通の頻度が少し増加することを示す、信用できるデータはある(週当たり平均+1.4~1.5回)(Recommendation A)。
食物繊維は硬便や痛みを改善するが、それに関する長期的なデータは無い。fibre sourcesが効果的である事に関して、エビデンスに基づいた推奨をするにはデータが不充分である。便重量の増加や通過時間の変化が症状の緩和や患者満足度を反映しない場合がある。患者の食物繊維の認容性(特に食物繊維の量/容量に関して)は重要である。
食物繊維(生のふすま、野菜や果物)は多くの状況で有益な可能性があり、主にセルフケアで利用されている。多くのデータがあるが、多くはuncontrolled studiesであり、エビデンスに基づくガイドラインには使えない。ライフスタイルや患者の好み、食物繊維の認容性は考慮すべき重要な事である。
(・・・続く)
bigvoice212065 at 15:49|Permalink│Comments(0)
臨床における食物繊維の有用性7
Tです。
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
・下痢
下痢に関して、定義と定量化には問題がある。見解が患者と看護師、医師その他で異なる。医学的には、一般的に200g/日の便重量と定義されている。臨床における定義には濃度と頻度の変化が反映され、一般的に3回以上/日の軟便とみなされる。どういった食物繊維が様々なタイプの下痢に有効か述べるための充分なデータは、存在しない。
データが無いので、下痢に対する食物繊維の有効性に関して具体的な提言は出来ない。下痢に対する食物繊維の有効性を示す唯一のデータは、小児の急性及び慢性下痢症やコレラ患者に対すして経口補水液にPHGGや難消化性デンプンを溶解させたものを投与したものである(Recommendation A)。
・過敏性腸症候群(IBS)
一般的に食物繊維はIBSに推奨されるが、それを支持するエビデンスは少ない。便秘が優勢な患者においては有益で、支持するデータもあるが膨満感や痛みの緩和ではなく主に腸音(?)に関するデータである。長期のデータも不足している。
従って全体的に、IBS患者における食物繊維の有効性は多くのデータが存在するものの、未確認である。IBS患者の中には食物繊維の利用が有益な場合もあるが、副作用(例えば鼓腸)がメリットを上回ることがある。いくつかのfibre sources(例えばPHGG)は他より認容性が高いものの、推奨するにはデータが不充分である。
(・・・続く)
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
・下痢
下痢に関して、定義と定量化には問題がある。見解が患者と看護師、医師その他で異なる。医学的には、一般的に200g/日の便重量と定義されている。臨床における定義には濃度と頻度の変化が反映され、一般的に3回以上/日の軟便とみなされる。どういった食物繊維が様々なタイプの下痢に有効か述べるための充分なデータは、存在しない。
データが無いので、下痢に対する食物繊維の有効性に関して具体的な提言は出来ない。下痢に対する食物繊維の有効性を示す唯一のデータは、小児の急性及び慢性下痢症やコレラ患者に対すして経口補水液にPHGGや難消化性デンプンを溶解させたものを投与したものである(Recommendation A)。
・過敏性腸症候群(IBS)
一般的に食物繊維はIBSに推奨されるが、それを支持するエビデンスは少ない。便秘が優勢な患者においては有益で、支持するデータもあるが膨満感や痛みの緩和ではなく主に腸音(?)に関するデータである。長期のデータも不足している。
従って全体的に、IBS患者における食物繊維の有効性は多くのデータが存在するものの、未確認である。IBS患者の中には食物繊維の利用が有益な場合もあるが、副作用(例えば鼓腸)がメリットを上回ることがある。いくつかのfibre sources(例えばPHGG)は他より認容性が高いものの、推奨するにはデータが不充分である。
(・・・続く)
bigvoice212065 at 16:43|Permalink│Comments(0)
2014年01月05日
臨床における食物繊維の有用性8
Tです。
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
食物繊維を利用する場合の禁忌
便秘及びIBSに食物繊維や機能性繊維を利用する事に関して、本当の禁忌は無い。発酵による膨慢や鼓腸を乗り切るために、プロバイオティクスとの同時投与が有用であることが示唆されている。しかし、これを推奨するデータは存在しない。
今後研究が必要な領域
・便秘治療の研究は不足しているかもしれない。今後の研究において、食物繊維とadditional fibre(例えばPHGG)を単独もしくはプロバイオティクスと併用した場合の臨床上の有効性及び費用対効果に関する比較試験が必要である。
・急性及び慢性下痢症における、PHGG及び難消化性デンプンとプロバイオティクスの併用に関する有効性を調べる必要がある。
・あらゆるタイプの過敏性腸症候群に関して、プレバイオティクスとプロバイオティクスの併用は今後の研究として合理的なアプローチと考えられる。これらの研究はプラセボ対照で少なくともコントロール期間12週、治療後4週の期間フォローすべきである。
(・・・続く)
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
食物繊維を利用する場合の禁忌
便秘及びIBSに食物繊維や機能性繊維を利用する事に関して、本当の禁忌は無い。発酵による膨慢や鼓腸を乗り切るために、プロバイオティクスとの同時投与が有用であることが示唆されている。しかし、これを推奨するデータは存在しない。
今後研究が必要な領域
・便秘治療の研究は不足しているかもしれない。今後の研究において、食物繊維とadditional fibre(例えばPHGG)を単独もしくはプロバイオティクスと併用した場合の臨床上の有効性及び費用対効果に関する比較試験が必要である。
・急性及び慢性下痢症における、PHGG及び難消化性デンプンとプロバイオティクスの併用に関する有効性を調べる必要がある。
・あらゆるタイプの過敏性腸症候群に関して、プレバイオティクスとプロバイオティクスの併用は今後の研究として合理的なアプローチと考えられる。これらの研究はプラセボ対照で少なくともコントロール期間12週、治療後4週の期間フォローすべきである。
(・・・続く)
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臨床における食物繊維の有用性9
Tです。
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
・大腸がんの予防
食物繊維の便重量及び通過時間に関する物理的効果は、大腸がんの抑制メカニズムと長い間考えられてきた。実際の知見として、この効果は複雑な(?)炭水化物が大腸に到達し、細菌の代謝産物を介して達成されることが示唆される。これらの代謝産物の中で抗腫瘍効果を期待して最も研究されたのは、酪酸の抗腫瘍効果である。この化合物は変異APCとの相互作用によりp53を調節し(どちらも抑制遺伝子)、転写因子(例えばNF-κB)の活性を阻害し、恐らくカスパーゼの活性を調節して細胞分裂をコントロールしてアポトーシスを遅らせる。従って、酪酸は未熟細胞の延命効果をもつ。
エビデンス
ベストな13の症例対照研究の結果をプールしたメタアナリシスによれば、食物繊維が豊富な食品の摂取は大腸及び直腸がんのリスクと逆相関していた。米国において、食物由来の食物繊維を平均13g/日摂取することで結腸直腸がんのリスクが31%減少すると推定された(エビデンスレベルI)。
大腸がんと食物繊維の摂取量の関係は今も研究が続いており、現時点で未解決である。事実、様々なコホート研究は矛盾した結果を示しているが、がんと栄養に関するヨーロッパの大規模前向き調査(EPICスタディ)は明確に、食品中の食物繊維と大腸がんの発生率が逆相関していることを示している(防御効果は直腸下限及び左側大腸が高かった)(エビデンスレベルI)。
食物繊維を用いた3~4年間のポリープ再発介入試験では有意な結果を示す事は出来なかった。しかしこれらの研究において、食物繊維の種類やsourceは充分に評価されていなかった。さらに、最も重要なのは、これらの介入研究はすでに腺腫(がんの前駆体)まで発達したハイリスク集団で実施されたものだった。
(・・・続く)
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
・大腸がんの予防
食物繊維の便重量及び通過時間に関する物理的効果は、大腸がんの抑制メカニズムと長い間考えられてきた。実際の知見として、この効果は複雑な(?)炭水化物が大腸に到達し、細菌の代謝産物を介して達成されることが示唆される。これらの代謝産物の中で抗腫瘍効果を期待して最も研究されたのは、酪酸の抗腫瘍効果である。この化合物は変異APCとの相互作用によりp53を調節し(どちらも抑制遺伝子)、転写因子(例えばNF-κB)の活性を阻害し、恐らくカスパーゼの活性を調節して細胞分裂をコントロールしてアポトーシスを遅らせる。従って、酪酸は未熟細胞の延命効果をもつ。
エビデンス
ベストな13の症例対照研究の結果をプールしたメタアナリシスによれば、食物繊維が豊富な食品の摂取は大腸及び直腸がんのリスクと逆相関していた。米国において、食物由来の食物繊維を平均13g/日摂取することで結腸直腸がんのリスクが31%減少すると推定された(エビデンスレベルI)。
大腸がんと食物繊維の摂取量の関係は今も研究が続いており、現時点で未解決である。事実、様々なコホート研究は矛盾した結果を示しているが、がんと栄養に関するヨーロッパの大規模前向き調査(EPICスタディ)は明確に、食品中の食物繊維と大腸がんの発生率が逆相関していることを示している(防御効果は直腸下限及び左側大腸が高かった)(エビデンスレベルI)。
食物繊維を用いた3~4年間のポリープ再発介入試験では有意な結果を示す事は出来なかった。しかしこれらの研究において、食物繊維の種類やsourceは充分に評価されていなかった。さらに、最も重要なのは、これらの介入研究はすでに腺腫(がんの前駆体)まで発達したハイリスク集団で実施されたものだった。
(・・・続く)
bigvoice212065 at 01:16|Permalink│Comments(0)
臨床における食物繊維の有用性10
Tです。
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
どのような食物繊維を使用すべきか?
実験的なエビデンスは少なく、大腸がんの予防に関する具体的な推奨は出来ない。そういう意味では、EPICスタディの結果を検討することには意味がある。つまり、食物繊維の豊富な食品の総摂取量が大腸がん発症率と逆相関していることを示している。食物繊維のsourceに関して、他のsourceより有意に防御効果が高いものは無かった。果物や水溶性食物繊維は、大腸遠位部の腫瘍形成にわずかに効果を示した。しかし穀類、野菜、非水溶性食物繊維ではこの効果は見られなかった。
大腸がん予防に食物繊維を用いる際の勧告
比較臨床試験を検討してみると、抗がん物質としての食物繊維の効果は曖昧である。これは、多くの研究が重大な方法論的問題を抱えている(主な障害として、食物摂取頻度アンケートを用いている、摂取する食事の質的・量的不均一性、プロスペクティブなデータの欠如が挙げられる)という事実に起因する。
推奨を検討する場合に考慮しなければならないのは、ハイリスクな患者への介入かどうかである(?)。すでに大腸内で大規模な腺腫まで発達した患者はがんを発症するリスクが高く、遺伝的な変異はもう起きている可能性がある。腺腫の発達における食生活の変化による影響は、はっきりわかるようになるまで5~19年かかる。しかし、若年期の食事に関する主な推奨は、将来的に有益な可能性がある。実際、一般集団においては子供の頃からの高繊維食、つまり野菜、果物、全粒穀物のような食物繊維豊富な食品を優先的に消費する事が推奨される。これらの食品は別の防御物質も持っているかもしれない。加えて考慮しなければならないのは、食物繊維は食事だけが基盤ではない事だ(?)。食事とライフスタイルは関連しているのだ。
(・・・続く)
臨床における食物繊維の有用性の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)
どのような食物繊維を使用すべきか?
実験的なエビデンスは少なく、大腸がんの予防に関する具体的な推奨は出来ない。そういう意味では、EPICスタディの結果を検討することには意味がある。つまり、食物繊維の豊富な食品の総摂取量が大腸がん発症率と逆相関していることを示している。食物繊維のsourceに関して、他のsourceより有意に防御効果が高いものは無かった。果物や水溶性食物繊維は、大腸遠位部の腫瘍形成にわずかに効果を示した。しかし穀類、野菜、非水溶性食物繊維ではこの効果は見られなかった。
大腸がん予防に食物繊維を用いる際の勧告
比較臨床試験を検討してみると、抗がん物質としての食物繊維の効果は曖昧である。これは、多くの研究が重大な方法論的問題を抱えている(主な障害として、食物摂取頻度アンケートを用いている、摂取する食事の質的・量的不均一性、プロスペクティブなデータの欠如が挙げられる)という事実に起因する。
推奨を検討する場合に考慮しなければならないのは、ハイリスクな患者への介入かどうかである(?)。すでに大腸内で大規模な腺腫まで発達した患者はがんを発症するリスクが高く、遺伝的な変異はもう起きている可能性がある。腺腫の発達における食生活の変化による影響は、はっきりわかるようになるまで5~19年かかる。しかし、若年期の食事に関する主な推奨は、将来的に有益な可能性がある。実際、一般集団においては子供の頃からの高繊維食、つまり野菜、果物、全粒穀物のような食物繊維豊富な食品を優先的に消費する事が推奨される。これらの食品は別の防御物質も持っているかもしれない。加えて考慮しなければならないのは、食物繊維は食事だけが基盤ではない事だ(?)。食事とライフスタイルは関連しているのだ。
(・・・続く)
bigvoice212065 at 07:20|Permalink│Comments(0)