SSTI診療ガイドライン2014サマリー

2014年06月30日

SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーその1

Tです。
CIDの2014年7月号にIDSAのSSTIの診断と治療ガイドライン2014のサマリーが記載されていた
http://cid.oxfordjournals.org/content/59/2/147.full
ので、数回に分けて訳していこうと思います。
 (以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

Executive Summary: Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Skin and Soft Tissue Infections: 2014 Update by the Infectious Diseases Society of America 

〈要約〉
IDSAは国内のエキスパートの研究班を召集した。 2005年に作成した皮膚軟部組織感染症(SSTI)治療ガイドのアップデートをするためである。研究班の推奨事項は、最近IDSAより発表されたMRSA感染症治療ガイドラインと辻褄の合うように整理した。このガイドラインの焦点は、壊死性筋膜炎のような生命を脅かすような感染から軽度な表皮の感染に至るまで、さまざまなSSTIの診断と適切な治療である。さらに、世界的に免疫不全宿主が増えているため、今回のガイドラインではそういった患者のSSTIに幅広く対処した。ガイドラインで強調したのは、速やかにSSTIを診断し、病原菌を特定し、タイムリーに効果的な薬物療法を行う臨床技術の重要性である。

(・・・続く) 

bigvoice212065 at 23:31|PermalinkComments(0)

2014年07月02日

SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーその2

Tです。
 SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーの訳の続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

EXECUTIVE SUMMARY

皮膚軟部組織感染(SSTI)に関する新たなガイドラインの提言を以下にまとめた。Figure 1(原文を参照)は、MRSA時代における皮膚膿瘍、癤(せつ)、癰(よう)といった局所の化膿性ブドウ球菌感染のマネージメントを簡略化したものである。加えて、Figure 2(原文を参照)は手術部位感染患者へのアプローチをシンプルにするために示したものである。研究班は他のIDSAガイドライン作成に利用されたプロセスに従った、つまりGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluation)システム(Table 1(原文を参照))を用いて推奨の強さとエビデンスの質を体系的に重み付けした。提言に関する詳細な方法、背景、エビデンスはガイドライン全文に記載されている。

Ⅰ.膿痂疹および膿瘡の評価・治療には何が適しているか?
1.膿痂疹および膿瘡の皮膚病変からの、膿や浸出液のグラム染色と培養が、起因菌が黄色ブドウ球菌かβ溶血性レンサ球菌かの識別には推奨される(strong, moderate)が、典型的なケースではグラム染色や培養無しに治療するとリーズナブルである(strong, moderate)。
2.水疱性および非水疱性膿痂疹は内服や局所の抗菌薬で治療可能であるが、多くの病変があったり、流行中に感染の伝播を抑えるには内服治療が推奨される。膿瘡の治療は抗菌薬の内服治療を行うべきである。
a.水疱性および非水疱性膿痂疹の治療はムピロシンもしくはレタパムリンを1日2回5日間(strong, high)。
b.膿痂疹および膿瘡の経口療法は、検体からレンサ球菌のみが検出されない限り、黄色ブドウ球菌の活性をもった抗菌薬を7日間処方すべきである(その場合経口ペニシリンが推奨)(strong, high)。膿痂疹や膿瘡から黄色ブドウ球菌が検出された場合、普通はメチシリン感受性であるので、ジクロキサシリン又はセファレキシンを推奨する。MRSAが疑われる、もしくは確認された場合、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、ST合剤が推奨される(strong, moderate)。
c.溶血性レンサ球菌の流行時の感染時は、化膿性レンサ球菌族の糸球体腎炎を排除するために抗菌薬の全身投与を推奨する(strong, moderate)。

(・・・続く)
bigvoice212065 at 19:59|PermalinkComments(0)

SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーその3

Tです。
続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

Ⅱ.化膿したSSTI(皮膚膿瘍、癤(せつ)、癰(よう) 、炎症性の類表皮嚢胞)の評価・治療には何が適しているか?
1.癰(よう)や膿瘍の、膿のグラム染色及び培養が推奨されるが、典型的なケースではグラム染色や培養無しに治療するとリーズナブルである(strong, moderate)。
2.炎症性の類表皮嚢胞の、膿のグラム染色及び培養は推奨しない(strong, moderate)。
3.切開やドレナージは、炎症性の類表皮嚢胞、癰(よう) 、膿瘍、大きな癤(せつ)の治療に軽症(Figure 1)なら推奨される(strong, high)。
4.切開やドレナージの補助として、黄色ブドウ球菌に対する抗菌薬投与の意思決定は、全身性炎症反応(SIRS)、例えば体温>38°Cもしくは<36°C、>24回/分の頻呼吸、>90回/分の頻脈、白血球数>12000もしくは<400 cells/µL(中等症; Figure 1)の有無に基づいてなされるべきである(strong, low)。癰(よう)や膿瘍患者のうち、MRSAに感受性のある抗菌薬の投与が推奨されるのは、初期の抗菌薬治療に失敗した患者、宿主の防御力が著しく傷害された患者、SIRSを生じ血圧も低下した患者(重症; Figure 1and Table 2)(strong, low)である。

Ⅲ.再発した皮膚膿瘍の評価・治療には何が適しているか?
1.以前の感染部位における膿瘍の再発は、毛巣膿胞や化膿性汗腺炎、または異物などのlocal causesを調べるべきである(strong, moderate)。
2.再発性の膿瘍は感染の初期にドレーンし、培養すべきである(strong, moderate)。
3.再発性の膿瘍の培養後に、検出した病原体に感受性のある抗菌薬で5~10日間治療する(weak, low)。
4.再発性の黄色ブドウ球菌感染症には、ムピロシンによる1日2回5日間の鼻腔内除菌、毎日のクロルヘキシジン洗浄、タオル・シーツ・衣類等個人用具の毎日の除菌を考慮する(weak, low)。
5.再発性膿瘍が幼児期に始まっていた場合、成人患者は好中球障害について評価すべきである(strong, moderate)。

(・・・続く) 
bigvoice212065 at 21:28|PermalinkComments(0)

2014年07月05日

SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーその4

Tです。
続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

Ⅳ.丹毒や蜂窩織炎の評価・治療には何が適しているか?
1.血液・皮膚の吸引物・生検・スワブの培養をルーチンで行うのは推奨しない(strong, moderate)。
2.癌化学療法、好中球減少、重度の細胞性免疫不全、immersion injuries、動物による咬傷の患者には血液培養が推奨され(strong, moderate)、皮膚の吸引物・生検・スワブの培養も考慮すべきである。
3.全身性の感染兆候のない蜂窩織炎の典型的なケースにはレンサ球菌に活性を持つ抗菌薬を投与すべきである(軽症; Figure 1)。全身性の感染兆候がある場合(中等症で非化膿; Figure 1)、抗菌薬の全身投与が必要である。多くの臨床医はMSSAをカバーする(weak, low)。蜂窩織炎がpenetrating traumaを生じている患者に関して、MRSA感染が他の部位で起こっている場合や鼻腔にMRSAを保菌している場合、薬物の注射を行っている場合、SIRSが生じている場合(重症で非化膿; Figure 1)、バンコマイシンや他のMRSAとレンサ球菌の療法に感受性をもつ抗菌薬が推奨される(strong, moderate)。質問13で定義されている極めて免疫の低下した患者に関して(重症で非化膿; Figure 1)、広域スペクトルの抗菌薬を考慮するかもしれない(weak, moderate)。バンコマイシン+ピペラシリン・タゾバクタムもしくはイミペネム/メロペネムは、重症感染の場合のリーズナブルな経験的治療として推奨されている(strong, moderate)。
4.抗菌薬の治療期間は5日間が推奨されるが、この期間で改善しない場合は延長すべきである(strong, high)。
5.患部のelevation、及び病因(浮腫や基礎となる皮膚疾患)の治療が推奨される(strong, moderate)。
6.下肢の蜂窩織炎の場合、臨床医はつま先の指趾間部を丁寧に観察すべきである。亀裂の治療、scaling、macerationは病原体のコロニー形成を根絶し、感染症の再発を減らすかもしれない(strong, moderate)。
7.外来治療が推奨される患者は、SIRSでない、精神状態の変化のない、血行動態の不安定な患者である(軽症で非化膿; Figure 1)。入院が推奨される患者は、深いもしくは壊死性の感染や、患者のアドヒアランスが不良である事、患者が重度の免疫不全が懸念される場合、又は外来治療が失敗した場合である(中等症・重症で非化膿; Figure 1)(strong, moderate)。

(・・・続く)
bigvoice212065 at 19:49|PermalinkComments(0)

2014年07月06日

SSTIの診断と治療ガイドライン2014サマリーその5

Tです。
続きです。
(以下、誤訳の可能性があるので気になる人は原文を読むことを勧めます。)

Ⅴ.抗炎症薬は蜂窩織炎の抗菌薬治療の補助に使用すべきか?
1.非糖尿病成人患者の蜂窩織炎には全身性ステロイド投与(例:プレドニゾロン40mg/日、7日間)を考慮して良い(weak, moderate)。

Ⅵ.再発性蜂窩織炎の評価・治療には何が望ましいか?
1.浮腫、肥満、湿疹、静脈不全、足趾間の異常といった素因を確認、治療すべきである (strong, moderate)。こういったプラクティスはルーチンな患者ケアの一環であり、蜂窩織炎の急性期には必ずやるべきである(strong, moderate)。
2.ペニシリンやエリスロマイシンの1日2回経口4~52週、またはベンザチンペニシリン筋注2~4週ごと、といった抗菌薬の予防投与を考慮してよい患者は、素因の治療・管理を試みているにも関わらず、年に3~4回蜂窩織炎に罹患するような患者である(weak, moderate)。抗菌薬の予防投与は素因が持続する限り続行すべきである(strong, moderate)。

Ⅶ.手術部位感染の望ましいマネージメントはどのようなものか?
1.抜糸+切開およびドレナージを手術部位感染には行うべきである(strong, low)。
2.補助的に抗菌薬の全身投与をルーチンに行うのは推奨しないが、重篤な全身症状(例:紅斑や硬結の傷の端からの広がり>5cm、発熱>38.5度、脈拍>110回/分、白血球数>12 000/µL)を呈した手術部位感染(Figure 2)には切開およびドレナージと供に抗菌薬を全身投与するのは有益である(weak, low)。
3.患者への短期の全身抗菌薬投与は胴、頭頸部、四肢の清潔手術による手術部位感染で全身感染兆候のある場合に行う(strong, low)。
4.MSSAには第一世代セファロスポリンや抗ブドウ球菌ペニシリン、MRSAのリスクが高い場合(鼻腔への定着、MRSA感染の既往、最近の入院、最近の抗菌薬投与)にはバンコマイシン、リネゾリド、ダプトマイシン、テラバンシン、セフタロリンを推奨する (strong, low)。Tables 2 and 3(原文を参照)を参照してほしい。
5.セファロスポリンやフルオロキノロンとメトロニダゾール併用のような、グラム陰性菌や嫌気性菌に活性を持つ抗菌薬は腋下、消化管、会陰部、女性性器の手術による手術部位感染に推奨する(strong, low)。Tables 2 and 3を参照してほしい。

(・・・続く)

bigvoice212065 at 10:30|PermalinkComments(0)
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