南九州感染症寺子屋

2014年02月08日

第一回南九州感染症寺子屋に参加してみた。

Tです。
鹿児島で行われた、第一回南九州感染症寺子屋に参加してみました。
南九州感染症寺子屋は、鹿児島で行われたIDATENのウィンターセミナーが元になっています。
その時は医師のみの参加だったけど、裾野を広げて薬剤師、検査技師、看護師などが和気藹々と参加できる、肩のこらない勉強会を立ち上げることにしたそうです。
参加してびっくり、ほとんどの参加者は鹿児島県の人でした。宮崎とか熊本って、北部九州にはいるんですかね?もっと九州全土から集まるのかと思っていた俺は、ちょっと寂しさを感じてしまいました・・・

とはいえ内容はとても面白く、特別講演の細川直登先生の検査前確率の話はとても興味深いものでしたし、その後のケーススタディも勉強になりました。
内容(ケーススタディは新しく得られた知見などのみ)は明日、まとめたいと思います。

さて、鹿児島に行ったらやはり黒豚は食べるべき、と思って食べてきました。
黒豚丼














天文館むじゃきの黒豚丼。
いや、B級グルメって感じの味わい。こういうのもたまには良いですね。

bigvoice212065 at 22:31|PermalinkComments(0)

2014年02月10日

第一回南九州感染症寺子屋に参加してみた。2

Tです。
第一回南九州感染症寺子屋の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
〈特別講演〉
・感度:疾患のある人の陽性になる割合。感度が高い検査はrule outに利用出来る。
・特異度:疾患が無い人の陰性になる割合。特異度の高い検査はrule inに利用出来る。
・上記2つの指標は元々疾患の有無がわかっているものを計算したもので、むしろ臨床では陽性予測値、陰性予測値の方が重要。
・陽性予測値:検査が陽性の人のうち、疾患のある人の割合。
・陰性予測値:検査が陰性の人のうち、疾患の無い人の割合。
・検査前確率(つまりは疫学で得られた疾患別臨床症状の有無の事?)で陽性予測値、陰性予測値は変わる。
・検査前確率が低いときはrule inは出来ないし、高いときはrule outは出来ない。
・血液培養を採取すべき状況
①菌血症を疑うとき(発熱、悪感戦慄、頻脈、頻呼吸など)
②原因不明の低体温、低血圧など
③突然変調をきたした高齢者もしくは小児
④免疫抑制者の原因不明の呼吸不全、腎不全、肝障害
⑤昏迷などの意識の変調(特に高齢者)
⑥説明の付かない白血球増多や減少、代謝性アシドーシス
⑦抗菌薬の変更時
・血液培養は陽性率を上げるため、又コンタミを見分ける為に2セット以上採るべき(次回の診療報酬改定で、血培2セットも保険で通るようになる可能性が高い!)

等です。
(・・・続く)

bigvoice212065 at 21:04|PermalinkComments(0)

2014年02月11日

第一回南九州感染症寺子屋に参加してみた。3

Tです。
第一回南九州感染症寺子屋の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
〈ケースカンファレンス1〉
・PMID:9145732(freeで読める)によれば、
①血液培養でコンタミしやすい菌:プロピオニバクテリウム属、コリネバクテリウム属、バチルス族、CNS、ウェルシュ菌
②血液培養でコンタミしにくい菌:黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、肺炎桿菌、多くのグラム陽性桿菌、大腸菌、真菌
③中間:緑色レンサ球菌、その他のクロストリジウム属
に分けられるが、あくまで1つの目安。
・一つのセオリーとして、PMID:23390910(freeで読める)によれば、
真の起炎菌の平均発育時間は17.87時間、コンタミと判断された平均発育時間40.56時間。
(真菌など、発育の遅いものはこのセオリーからはずれるのでは?)
ただし、血液培養の陽性までの発育時間について、コンタミかどうかの判断に使えるという報告と使えないという報告はどちらもあり、専門家でも意見が分かれる。
・PMID:16378800によれば、悪寒戦慄の菌血症特異度は90.3%。

〈ケースカンファレンス2〉
・胸水は漏出性胸水と滲出性胸水に分けられ、それぞれ鑑別疾患が異なる。
・ADA(アデノシンデアミナーゼ。米国糖尿病学会ではない。)は結核性胸水で高値となるが、膿胸、関節リウマチ等でも高値を示す。
・PMID:12880538によれば、ADAのcut offを40U/Lとした際の結核性胸水の感度92%、特異度92%。

等です。
第二回は7月の予定だそうで、白熊が美味しい頃ですね。


bigvoice212065 at 11:03|PermalinkComments(0)

2014年07月12日

第二回南九州感染症寺子屋に参加してみた。

Tです。
今日は第二回南九州感染症寺子屋が鹿児島でありましたので、参加してきました。

日程がモロに日本医薬品情報学会総会・学術大会(鹿児島県民交流センターで開催)とかぶっていたので、DI担当を兼務する薬剤師等は参加を控える人もいるかと思っていましたが、第一回に続いて今回も大盛況。南九州感染症寺子屋の人気は凄いですね。

人気の秘密(?)は、やはり和気藹々とした雰囲気にあるのかも。ケースカンファレンスの前のアイスブレイクは力が入っており、今回は「レンサ球菌ジャンケン」。最後は輪になって、自然に皆から拍手が生まれました。

そして豪華な特別講師。第一回の細川先生も凄かったけど、第二回の特別講師は大曲貴夫先生でした。
俺が大曲先生の講演を初めて聴いたのは、東京であった日本化学療法学会第14回抗菌薬適正使用セミナーでした。その時の「抗菌薬の適正使用と適切な感染症診療は切り離せない」的な話には目の前が開けたような気がしました。今回の特別講演も、とても勉強になりました。
大曲先生は著作も素晴らしいものが多いです。おすすめは、2010年に発売された「感染症診療のロジック」。

ケーススタディも興味深かったです。俺の病院では経験しないような内容ですが、だからといって無視はできないような内容。覚え書きは明日以降にまとめます。

今年は涼しい夏ですが、やはりこの時期に鹿児島に行ったら食べない訳にはいかないでしょう。天文館むじゃきの白熊。スモールサイズでも結構デカイ。
白熊










味は食べるミルクセーキみたいな感じ。美味しかったです。

bigvoice212065 at 21:48|PermalinkComments(0)

2014年07月13日

第二回南九州感染症寺子屋に参加してみた。2

Tです。
第二回南九州感染症寺子屋の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は

〈特別講演〉
・感染症診療には、ロジックが必要である。つまり、
①患者背景の理解
②感染臓器はどこか?
③原因微生物は何か ?
④抗菌薬は何をどのように使うか?
⑤適切な経過観察
(箇条書きにすると簡単そうに見えるけど、実際は苦労しますよね。)
・患者背景の把握はキーワードで把握すべきではない。ストーリーを重視すべきである。
・医療行為自体が感染リスクを上げる。とくにカテーテルはそうである。
・回診の際には患者に管が入っているかどうか、その管が機能しているかどうか、それが今日抜去できるかどうかを考えないといけない。
・ A Practical Approach to Infectious Diseasesによれば、急性単純性腎盂腎炎の原因微生物はE.coliが89%。
・カンジダの血流感染は眼内炎の合併が4割くらいある(無症候もある)ので、眼科へのコンサルテーションは必須。
・何でもそうだし当たり前だが、感染症診療は身に着けるためには努力が必要。思考のトレーニングは必須。

 

bigvoice212065 at 08:43|PermalinkComments(0)
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