南九州感染症寺子屋
2014年07月13日
第二回南九州感染症寺子屋に参加してみた。3
Tです。
第二回南九州感染症寺子屋の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
〈ケースカンファレンス1及びショートレクチャー〉
・ デング熱の特徴
潜伏期3~14日(通常4~7日)。
吐気・嘔吐、高熱(平均5日)後、急に解熱。約6割に2峰性の発熱を認める。
熱が下がりだす頃(2~6日)に特徴的な皮疹が出現(約50%)する。
血液検査で白血球及び血小板が低下(解熱時に顕著)する。
まれに重症化する。治療は対症療法。
・感染症の病歴確認の際は以下の5点に気をつけよう。
①同様の症状のある人との接触
②結核の曝露
③STIの可能性
④渡航歴
⑤動物との接触
・PMID:17492066(freeで読める)によると、
潜伏期<10日:マラリア、インフルエンザ、デング熱、etc…
潜伏期10~21日:マラリア、腸チフス、ツツガムシ、レプトスピラ、 etc…
潜伏期>21日:マラリア、肝炎、アメーバ性肝膿瘍、結核、急性HIV感染、etc…
〈ケースカンファレンス1及びショートレクチャー〉
・ デング熱の特徴
潜伏期3~14日(通常4~7日)。
吐気・嘔吐、高熱(平均5日)後、急に解熱。約6割に2峰性の発熱を認める。
熱が下がりだす頃(2~6日)に特徴的な皮疹が出現(約50%)する。
血液検査で白血球及び血小板が低下(解熱時に顕著)する。
まれに重症化する。治療は対症療法。
・感染症の病歴確認の際は以下の5点に気をつけよう。
①同様の症状のある人との接触
②結核の曝露
③STIの可能性
④渡航歴
⑤動物との接触
・PMID:17492066(freeで読める)によると、
潜伏期<10日:マラリア、インフルエンザ、デング熱、etc…
潜伏期10~21日:マラリア、腸チフス、ツツガムシ、レプトスピラ、 etc…
潜伏期>21日:マラリア、肝炎、アメーバ性肝膿瘍、結核、急性HIV感染、etc…
bigvoice212065 at 20:07|Permalink│Comments(0)
2014年07月14日
第二回南九州感染症寺子屋に参加してみた。4
Tです。
第二回南九州感染症寺子屋の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
〈ケースカンファレンス2〉
・VZV感染症は病原体は同じでも水痘・帯状疱疹・播種性帯状疱疹で皮疹が違う。
・水痘・播種性帯状疱疹患者が病棟にいた場合、(特に免疫不全者の多い病棟は)ビビらないといけない。
・ 感染対策は、標準予防策+空気予防策。
・患者、付き添い者、スタッフの感受性を把握。(スタッフは全て非感受性者となっているべき。)
・発症者の治療+無防備曝露した感受性者の予防の為に、抗ウイルス薬・ワクチン・グロブリン製剤を適切に使用すべきである。
・2014年10月より水痘ワクチンが定期接種化された。
・ 免疫不全の種類と特徴はおさえておこう(「臨床感染症ブックレット」7巻等)。
次回は11月22日。特別講師は現代感染症診療のパイオニア、青木眞先生だそうです。参加希望者が殺到すること間違いなし!?
・2014年10月より水痘ワクチンが定期接種化された。
・ 免疫不全の種類と特徴はおさえておこう(「臨床感染症ブックレット」7巻等)。
次回は11月22日。特別講師は現代感染症診療のパイオニア、青木眞先生だそうです。参加希望者が殺到すること間違いなし!?
bigvoice212065 at 00:30|Permalink│Comments(0)
2015年03月14日
第4回南九州感染症寺子屋に参加してみた。1
Tです。
第1,2回に参加させていただいた南九州感染症寺子屋に、また参加してきました。
今回は4回目の開催。第1回から約1年が経ちました。
南九州感染症寺子屋はメジャーリーガー級の先生方が特別講演に来ていただけるのでとても嬉しいのですが、今回の特別講演の講師も凄かった。
洛和会音羽病院の大野博司先生。大野先生の著作「感染症入門レクチャーノーツ」は俺の愛読書のうちの1つであり、今でもたまに読み返します。
そんな大野先生の特別講演は、ケーススタディ形式でした。しかし俺はこの形式、苦手なんですよねぇ・・・
特別講演で新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・ 重症感染症における抗菌薬選択のロジックとして
①グラム陰性桿菌のカバーはどこまでするか?(SPACEのカバーは必要か?ESBLカバーは?レジオネラは?)
②嫌気性菌のカバーは必要か?(特にβ-ラクタマーゼ産生菌はどうする?)
③耐性グラム陽性菌のカバーは必要か?(MRSAは?VREは?)
④それ以外のカバーは?
・敗血症の抗菌薬投与が1時間遅れるごとに死亡率は6%ずつ上がる?
・皮膚・軟部組織感染、骨・関節感染ではエンピリックにMRSAのカバーが必須。
・心不全・低心機能・CKD・透析患者のNa負荷は注意を払うべき。ユナシン12g投与で50mEq。(ホスホマイシンだけ気をつけておけば良いと思ってました。反省。)
・マクロライド・キノロンの薬物相互作用の代表的なものは気を付けるべき。
例)①シプロフロキサシン+テオフィリン=テオフィリン中毒
②シプロフロキサシン+ワーファリン=抗凝固亢進
③シプロフロキサシン+NSAIDs=神経系副作用,痙攣
④シプロフロキサシン+アミオダロン=QT延長
・キノロン+セレネースは危ない?
・K-1,-2クレブシエラによる胆道系感染→中枢神経系に親和性あり。眼内炎・ 脳膿瘍・骨髄炎の合併ある?
・セフトリアキソンの胆泥形成(偽胆石症は50%で見られ(そんなに出るか?)、9%で症状ある?胆石症の既往の確認は重要。)
・第2世代以降のキノロンとPPIの併用は強毒性トキシン産生CDIのリスクを高める。
・サンフォード2014以降には24時間持続の抗菌薬投与法の記載がある。(買い直さなくては。最後に買ったのは2011だったっけ?)
etc・・・
第1,2回に参加させていただいた南九州感染症寺子屋に、また参加してきました。
今回は4回目の開催。第1回から約1年が経ちました。
南九州感染症寺子屋はメジャーリーガー級の先生方が特別講演に来ていただけるのでとても嬉しいのですが、今回の特別講演の講師も凄かった。
洛和会音羽病院の大野博司先生。大野先生の著作「感染症入門レクチャーノーツ」は俺の愛読書のうちの1つであり、今でもたまに読み返します。
そんな大野先生の特別講演は、ケーススタディ形式でした。しかし俺はこの形式、苦手なんですよねぇ・・・
特別講演で新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・ 重症感染症における抗菌薬選択のロジックとして
①グラム陰性桿菌のカバーはどこまでするか?(SPACEのカバーは必要か?ESBLカバーは?レジオネラは?)
②嫌気性菌のカバーは必要か?(特にβ-ラクタマーゼ産生菌はどうする?)
③耐性グラム陽性菌のカバーは必要か?(MRSAは?VREは?)
④それ以外のカバーは?
・敗血症の抗菌薬投与が1時間遅れるごとに死亡率は6%ずつ上がる?
・皮膚・軟部組織感染、骨・関節感染ではエンピリックにMRSAのカバーが必須。
・心不全・低心機能・CKD・透析患者のNa負荷は注意を払うべき。ユナシン12g投与で50mEq。(ホスホマイシンだけ気をつけておけば良いと思ってました。反省。)
・マクロライド・キノロンの薬物相互作用の代表的なものは気を付けるべき。
例)①シプロフロキサシン+テオフィリン=テオフィリン中毒
②シプロフロキサシン+ワーファリン=抗凝固亢進
③シプロフロキサシン+NSAIDs=神経系副作用,痙攣
④シプロフロキサシン+アミオダロン=QT延長
・キノロン+セレネースは危ない?
・K-1,-2クレブシエラによる胆道系感染→中枢神経系に親和性あり。眼内炎・ 脳膿瘍・骨髄炎の合併ある?
・セフトリアキソンの胆泥形成(偽胆石症は50%で見られ(そんなに出るか?)、9%で症状ある?胆石症の既往の確認は重要。)
・第2世代以降のキノロンとPPIの併用は強毒性トキシン産生CDIのリスクを高める。
・サンフォード2014以降には24時間持続の抗菌薬投与法の記載がある。(買い直さなくては。最後に買ったのは2011だったっけ?)
etc・・・
bigvoice212065 at 22:11|Permalink│Comments(0)
2015年03月16日
第4回南九州感染症寺子屋に参加してみた。2
Tです。
特別講演の後は、ケーススタディが2題。いつものスタイルでした。
ケーススタディで新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・PCPはHIV患者では緩徐に発症する事も多く症状も軽い事が多いが、非HIV患者では急激に発症し、呼吸困難も多い。
・非HIV患者のPCPにおいて、自己免疫疾患では炎症性メディエーター を介した過剰な免疫反応の関与もある。
・PMID:22012008によれば(freeで読めます)、非HIV患者のPCPはPCRの感度99%、特異度92%。
・PMID:17426225によれば、PCPにおけるβ-D-グルカンのカットオフ値31.1、感度92.3%、特異度86.1%。
・ β-D-グルカンの偽陽性:セルロース素材の膜を用いた血液透析、血液製剤、キノコ類の生薬の入った漢方の使用。
・PMID: 20880871(本文読めず)によれば、PCPにカスポファンギンは有用?(カスポファンギンのPCPへの治療は他にも文献は色々ありそう)
・結核に関して、感染と発病は違う(9割は感染しても発症しない?なんかHIVのようですね。)。
・結核診療ガイドライン、結核・非結核性好酸菌症診療Q&Aは良い参考になる?
etc・・・
時間が押していたので駆け足で終わらせたような感じでしたが、俺には歯ごたえのあり過ぎる症例だったので時間が延長されてもあまり変わらなかったかも。療養メインの急性期でない病院勤務の医療従事者としては、経験不足をいかに補うかが課題か?それとも自分の不勉強の言い訳か?
色々考えさせられるケーススタディでした。
次回は6月。アンケート結果で最もリクエストの多かった先生が講演予定だそうです。誰だろう?
俺は某大学教授や某ブログで活躍の輸入回帰熱で有名な医師をリクエストしてみたんですが、どれもハズレかなぁ?
特別講演の後は、ケーススタディが2題。いつものスタイルでした。
ケーススタディで新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・PCPはHIV患者では緩徐に発症する事も多く症状も軽い事が多いが、非HIV患者では急激に発症し、呼吸困難も多い。
・非HIV患者のPCPにおいて、自己免疫疾患では炎症性メディエーター を介した過剰な免疫反応の関与もある。
・PMID:22012008によれば(freeで読めます)、非HIV患者のPCPはPCRの感度99%、特異度92%。
・PMID:17426225によれば、PCPにおけるβ-D-グルカンのカットオフ値31.1、感度92.3%、特異度86.1%。
・ β-D-グルカンの偽陽性:セルロース素材の膜を用いた血液透析、血液製剤、キノコ類の生薬の入った漢方の使用。
・PMID: 20880871(本文読めず)によれば、PCPにカスポファンギンは有用?(カスポファンギンのPCPへの治療は他にも文献は色々ありそう)
・結核に関して、感染と発病は違う(9割は感染しても発症しない?なんかHIVのようですね。)。
・結核診療ガイドライン、結核・非結核性好酸菌症診療Q&Aは良い参考になる?
etc・・・
時間が押していたので駆け足で終わらせたような感じでしたが、俺には歯ごたえのあり過ぎる症例だったので時間が延長されてもあまり変わらなかったかも。療養メインの急性期でない病院勤務の医療従事者としては、経験不足をいかに補うかが課題か?それとも自分の不勉強の言い訳か?
色々考えさせられるケーススタディでした。
次回は6月。アンケート結果で最もリクエストの多かった先生が講演予定だそうです。誰だろう?
俺は某大学教授や某ブログで活躍の輸入回帰熱で有名な医師をリクエストしてみたんですが、どれもハズレかなぁ?
bigvoice212065 at 21:24|Permalink│Comments(0)
2015年10月24日
第6回南九州感染症寺子屋に参加してみた。1
Tです。
鹿児島で行われた第6回南九州感染症寺子屋に参加してきました。1,2,4回に続く4回目の参加。いつも楽しく、勉強になる内容で有難いです。
南九州感染症寺子屋はメジャーリーガー級の先生方が特別講演にいつも来ていただけますが、今回は西神戸医療センターの山本剛先生でした。感染症系の学会やIDATENで活躍されている先生で、 開設されているブログ「グラム染色道場」は超有名。来年の環境感染学会のベーシックレクチャーでも講演される事がきまっており、タイトルは正に「グラム染色道場」です。
そんな山本先生の話は検査室と臨床現場のコミュニケーション。
検査の目的や病歴の情報を共有できれば菌の検出率が上がるよ的な話。また、検査室から発信する情報として重要なのは検査の所要時間や検査陰性の際の解釈など。
改めて重要に感じた点は、
・FUOの原因として、感染は減ってきている?(PMID: 12622601)
・IDSAのカテ感染の診療ガイドラインはそのうちきちんと読んでおこう。(Clinical practice guidelines for the diagnosis and management of intravascular catheter-related infection: 2009 Update by the Infectious Diseases Society of America.)
菌の推定に関して思うことですが、最近はコンピューターの発達が目覚しく、スマホで糖尿病性網膜症の診断サポートができるかもしれない所まできています。グラム染色で染まった菌も、画像として取り込んで菌の推定ができるような診断サポートアプリケーションソフトの開発とかされていないんだろうか?
機械学習的には画像診断サポートは教師あり学習の分類問題なので、精度はともかく技術的には作れそうな気がするんだけどなぁ?特に、ある程度標的の菌が想定されていればかなりイケそうな気がする。
鹿児島で行われた第6回南九州感染症寺子屋に参加してきました。1,2,4回に続く4回目の参加。いつも楽しく、勉強になる内容で有難いです。
南九州感染症寺子屋はメジャーリーガー級の先生方が特別講演にいつも来ていただけますが、今回は西神戸医療センターの山本剛先生でした。感染症系の学会やIDATENで活躍されている先生で、 開設されているブログ「グラム染色道場」は超有名。来年の環境感染学会のベーシックレクチャーでも講演される事がきまっており、タイトルは正に「グラム染色道場」です。
そんな山本先生の話は検査室と臨床現場のコミュニケーション。
検査の目的や病歴の情報を共有できれば菌の検出率が上がるよ的な話。また、検査室から発信する情報として重要なのは検査の所要時間や検査陰性の際の解釈など。
改めて重要に感じた点は、
・FUOの原因として、感染は減ってきている?(PMID: 12622601)
・IDSAのカテ感染の診療ガイドラインはそのうちきちんと読んでおこう。(Clinical practice guidelines for the diagnosis and management of intravascular catheter-related infection: 2009 Update by the Infectious Diseases Society of America.)
菌の推定に関して思うことですが、最近はコンピューターの発達が目覚しく、スマホで糖尿病性網膜症の診断サポートができるかもしれない所まできています。グラム染色で染まった菌も、画像として取り込んで菌の推定ができるような診断サポートアプリケーションソフトの開発とかされていないんだろうか?
機械学習的には画像診断サポートは教師あり学習の分類問題なので、精度はともかく技術的には作れそうな気がするんだけどなぁ?特に、ある程度標的の菌が想定されていればかなりイケそうな気がする。
bigvoice212065 at 22:32|Permalink│Comments(0)