南九州感染症寺子屋
2015年10月28日
第6回南九州感染症寺子屋に参加してみた。2
Tです。
ケースカンファレンスで得た新たな&改めて重要に感じた知見は、
・熱帯地域から帰国して発熱した患者の潜伏期と想定すべき感染症(PMID:8616312)
10日以内:デング熱、チクングニア熱、ペスト、出血熱、細菌性腸管感染症、腸チフス、パラチフス
10~21日:マラリア、腸チフス、発疹チフス、リケッチア熱、Q熱、ブルセラ症、トリパノソーマ、レプトスピラ
21日間:マラリア、結核、急性ウイルス性肝炎、急性HIV感染症、アメーバ肝膿瘍、住血吸虫症、フィラリア症、内臓リーシュマニア症
・サンフォードは某メーカーHPでアップデート版が見れるんですね、知らなかった。。MRさんは教えてくれても良いのに!
・Salmonella属の治療でキノロンの感受性は注意が必要。(PMID:22752519)特にナリジクス酸感受性。
・薬剤熱の比較三原則?(比較的徐脈、比較的低CRP、比較的元気)
・Nocardiaの約6割は何らかの免疫抑制状態をもつ
・感染臓器として呼吸器・皮膚・中枢神経が問題となることが多い
・Nocardiaは菌種によって異なる薬剤感受性パターンを示すことから、菌種の同定は重要!
毎回とても勉強になります。
次回は来年の2/27、特別講演には感染症界のエース、岩田健太郎先生が登場とのこと。
環境感染学会とも日程が重ならないし、今から楽しみです。
おみやげに買ったさつま揚げ。
ケースカンファレンスで得た新たな&改めて重要に感じた知見は、
・熱帯地域から帰国して発熱した患者の潜伏期と想定すべき感染症(PMID:8616312)
10日以内:デング熱、チクングニア熱、ペスト、出血熱、細菌性腸管感染症、腸チフス、パラチフス
10~21日:マラリア、腸チフス、発疹チフス、リケッチア熱、Q熱、ブルセラ症、トリパノソーマ、レプトスピラ
21日間:マラリア、結核、急性ウイルス性肝炎、急性HIV感染症、アメーバ肝膿瘍、住血吸虫症、フィラリア症、内臓リーシュマニア症
・サンフォードは某メーカーHPでアップデート版が見れるんですね、知らなかった。。MRさんは教えてくれても良いのに!
・Salmonella属の治療でキノロンの感受性は注意が必要。(PMID:22752519)特にナリジクス酸感受性。
・薬剤熱の比較三原則?(比較的徐脈、比較的低CRP、比較的元気)
・Nocardiaの約6割は何らかの免疫抑制状態をもつ
・感染臓器として呼吸器・皮膚・中枢神経が問題となることが多い
・Nocardiaは菌種によって異なる薬剤感受性パターンを示すことから、菌種の同定は重要!
毎回とても勉強になります。
次回は来年の2/27、特別講演には感染症界のエース、岩田健太郎先生が登場とのこと。
環境感染学会とも日程が重ならないし、今から楽しみです。
おみやげに買ったさつま揚げ。
bigvoice212065 at 13:06|Permalink│Comments(0)
2016年02月27日
第7回南九州感染症寺子屋に参加してみた。1
Tです。
鹿児島で行われた第7回南九州感染症寺子屋に参加してきました。この会が始まるまで1度も鹿児島には来たことがありませんでしたが、5回も参加するとさすがに駅周辺から天文館付近まで土地勘がついてきました。
特別講演はいつもメジャーリーガー級の凄い先生方が講演され、この会の楽しみの一つになっていますが、今回も感染症会のエース、岩田健太郎先生が講演しに来られました。
岩田先生に関しては何度かこのブログで記事にしていましたが、先生の事を知ったのは2009年の日病薬雑誌にOPINIONとして掲載された「抗菌薬の添付文書はどこが間違っているのか」がきっかけでした。「極論で語る感染症内科」も是非読ませていただきます。
岩田先生の講演はスライドも資料も特に無いライブ形式の講演でした。研修のスタイルとしては日本では珍しい感じ。
特別講演で新たに得られた&改めて重要に感じた知見は、
・ワクチンの効果の指標にVE(Vaccine Efficacy)があり、以下のようにして計算される。
・test-negative case-control study の結果はRCTにそんなに劣らない?
・インフルエンザ迅速診断キットの感度は60~70%?(キットの感度に関しては色々報告があり、俺には正直よく分らない。キット陰性のみでインフルエンザの除外は出来ない、ということは分かる。)
・We found no evidence of benefit to support current practice of changing catheters routinely every three to four days.(PMID: 23633346、コクランレビューは本文は有料。今度abstract位はきちんと読もう。)
・EBMは1990年代に言われはじめた。その意は「手に入る限り最大の情報を駆使して目の前の患者と向き合う事」
・「サルバルサン戦記」を読んでみよう。(丁度俺が「サルファ剤 忘れられた奇跡」を読んだ余韻が残っている頃に発売されたため未読。今度読んでみます。)
・「感染対策出来ているか? 」の問いにyesと答える施設はだいたい出来てない、noと答える施設はだいたい出来ている?(yesは同意。noは、本当に出来ていない施設が正直に回答することもあるのでは?と思ってしまう。決して理想が高いわけでなく、形式的にやらないといけないといわれている事すらやらず、深く考えることもせず、なんとなく出来てないだろうなぁということは雰囲気で悟っているような感じとか。)
・与えられた環境でベストを尽くすのは大事。
・・・知見というよりほとんど雑感になってしまった。
鹿児島で行われた第7回南九州感染症寺子屋に参加してきました。この会が始まるまで1度も鹿児島には来たことがありませんでしたが、5回も参加するとさすがに駅周辺から天文館付近まで土地勘がついてきました。
特別講演はいつもメジャーリーガー級の凄い先生方が講演され、この会の楽しみの一つになっていますが、今回も感染症会のエース、岩田健太郎先生が講演しに来られました。
岩田先生に関しては何度かこのブログで記事にしていましたが、先生の事を知ったのは2009年の日病薬雑誌にOPINIONとして掲載された「抗菌薬の添付文書はどこが間違っているのか」がきっかけでした。「極論で語る感染症内科」も是非読ませていただきます。
岩田先生の講演はスライドも資料も特に無いライブ形式の講演でした。研修のスタイルとしては日本では珍しい感じ。
特別講演で新たに得られた&改めて重要に感じた知見は、
・ワクチンの効果の指標にVE(Vaccine Efficacy)があり、以下のようにして計算される。
・test-negative case-control study の結果はRCTにそんなに劣らない?
・インフルエンザ迅速診断キットの感度は60~70%?(キットの感度に関しては色々報告があり、俺には正直よく分らない。キット陰性のみでインフルエンザの除外は出来ない、ということは分かる。)
・We found no evidence of benefit to support current practice of changing catheters routinely every three to four days.(PMID: 23633346、コクランレビューは本文は有料。今度abstract位はきちんと読もう。)
・EBMは1990年代に言われはじめた。その意は「手に入る限り最大の情報を駆使して目の前の患者と向き合う事」
・「サルバルサン戦記」を読んでみよう。(丁度俺が「サルファ剤 忘れられた奇跡」を読んだ余韻が残っている頃に発売されたため未読。今度読んでみます。)
・「感染対策出来ているか? 」の問いにyesと答える施設はだいたい出来てない、noと答える施設はだいたい出来ている?(yesは同意。noは、本当に出来ていない施設が正直に回答することもあるのでは?と思ってしまう。決して理想が高いわけでなく、形式的にやらないといけないといわれている事すらやらず、深く考えることもせず、なんとなく出来てないだろうなぁということは雰囲気で悟っているような感じとか。)
・与えられた環境でベストを尽くすのは大事。
・・・知見というよりほとんど雑感になってしまった。
bigvoice212065 at 22:02|Permalink│Comments(0)
2016年02月28日
第7回南九州感染症寺子屋に参加してみた。2
Tです。
第7回南九州感染症寺子屋ショートレクチャー1の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・レジオネラ症は高齢者、細胞性免疫不全者に発症することが多い。
・レジオネラ症は4類感染症で届け出が必要。
・レジオネラ症は症状が多彩で、筋肉痛や比較的徐脈、軟便・下痢、腹痛ほか、様々な症状が出現する。
・Point Systemによるレジオネラ症の診断(PMID: 18620108、中身はfreeでは読めない)はけっこうイケている?
・重症例ではAZMよりLVFX
・レジオネラ尿中抗原は発症してから検査陽性まで48~72時間かかるし感度自体5~6割?
・佐賀大凄いよね。
第7回南九州感染症寺子屋ショートレクチャー2の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・扁桃周囲膿瘍はどの位広がっているか確認するのに頸部CTは必須。
・連鎖球菌が起因菌かと思っていたけど嫌気性菌の関与も絡む。まあ冷静になればそうだよね、と納得。相変わらず俺は瞬発力がない。
・SBT/AMPCが第一選択か?サンフォードなどはTAZ/PIPCが第一選択?
ショートレクチャー2のグループディスカッションの際に、抗菌薬の服薬アドヒアランスの話になりました。 俺は「日本人は抗菌薬の服薬アドヒアランスがよろしくない」と述べましたが、それはCOMPLy調査の予備的結果に起因します。2005年に行われた、過去12カ月以内に抗生物質を服用したと報告した11カ国、4500人に対する世界調査です。小児の調査はされていないので、ショートレクチャー2のグループディスカッションで提示する情報としては的外れだったかも。
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/200604054774/
http://www.watarase.ne.jp/aponet/topics/topics0604.html
今から10年前の情報なので、現状は異なるかもしれません。協力していたファイザーのHPからも結果の内容が辿れなくなっているし、古すぎる情報か?
今回もとても楽しかった南九州感染症寺子屋ですが、次回は7月16日に開催予定だそうです。
特別講演はドクターGや情熱大陸にも出演された忽那賢志先生です。輸入感染症の話などを熱く語って頂けそうな予感。リオデジャネイロオリンピック直前で、タイムリーな話題もあるか?
今から楽しみです。
駅のお土産売り場で見つけた、黒豚まん。
第7回南九州感染症寺子屋ショートレクチャー1の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・レジオネラ症は高齢者、細胞性免疫不全者に発症することが多い。
・レジオネラ症は4類感染症で届け出が必要。
・レジオネラ症は症状が多彩で、筋肉痛や比較的徐脈、軟便・下痢、腹痛ほか、様々な症状が出現する。
・Point Systemによるレジオネラ症の診断(PMID: 18620108、中身はfreeでは読めない)はけっこうイケている?
・重症例ではAZMよりLVFX
・レジオネラ尿中抗原は発症してから検査陽性まで48~72時間かかるし感度自体5~6割?
・佐賀大凄いよね。
第7回南九州感染症寺子屋ショートレクチャー2の参加により、新たに得られた、もしくは改めて重要に感じた知見は
・扁桃周囲膿瘍はどの位広がっているか確認するのに頸部CTは必須。
・連鎖球菌が起因菌かと思っていたけど嫌気性菌の関与も絡む。まあ冷静になればそうだよね、と納得。相変わらず俺は瞬発力がない。
・SBT/AMPCが第一選択か?サンフォードなどはTAZ/PIPCが第一選択?
ショートレクチャー2のグループディスカッションの際に、抗菌薬の服薬アドヒアランスの話になりました。 俺は「日本人は抗菌薬の服薬アドヒアランスがよろしくない」と述べましたが、それはCOMPLy調査の予備的結果に起因します。2005年に行われた、過去12カ月以内に抗生物質を服用したと報告した11カ国、4500人に対する世界調査です。小児の調査はされていないので、ショートレクチャー2のグループディスカッションで提示する情報としては的外れだったかも。
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/200604054774/
http://www.watarase.ne.jp/aponet/topics/topics0604.html
今から10年前の情報なので、現状は異なるかもしれません。協力していたファイザーのHPからも結果の内容が辿れなくなっているし、古すぎる情報か?
今回もとても楽しかった南九州感染症寺子屋ですが、次回は7月16日に開催予定だそうです。
特別講演はドクターGや情熱大陸にも出演された忽那賢志先生です。輸入感染症の話などを熱く語って頂けそうな予感。リオデジャネイロオリンピック直前で、タイムリーな話題もあるか?
今から楽しみです。
駅のお土産売り場で見つけた、黒豚まん。
bigvoice212065 at 01:17|Permalink│Comments(0)
2016年07月16日
第8回南九州感染症寺子屋に参加してみた。1
Tです。
鹿児島で行われた第8回南九州感染症寺子屋に参加してきました。
熊本が被災して以来初めて南九州に新幹線で行きました。なんか本数減ってない?震災の影響?とか思って時刻表を調べましたが気のせいでした。いつもは通勤時の、新幹線の本数の多い時間帯に乗っていたため、少し遅い時間帯に新幹線に乗ろうとしたら本数が少なく感じただけでした・・・
特別講演はいつもメジャーリーガー級の凄い先生方が講演され、この会の楽しみの1つですが、今回はドクターGや情熱大陸にも出演した経験のあるスーパードクター、忽那賢志先生でした。
俺が忽那先生の事を知ったのは某ブログがきっかけで、ゲストライターをされていた記事を読んで「こんな面白いブログ記事を書く先生がいるんだな」と思っていました。直接の知り合いでも何でもないのに俺の病院の薬局では忽那先生は人気者です。忙しくてもうブログの記事は書けないんですかね。
特別講演で新たに得られた&改めて重要に感じた知見は、
・輸入感染症はフォーカスがはっきりしない事が多い。
・輸入感染症は通常の鑑別診断に加えるもの。基本的な鑑別診断をまず先に挙げることが大事。
・マラリアの除外は結構大変。連日3回ギムザ染色を行ってまずはマラリアを除外する。(そういえば昨年エボラがPHEIC宣言された際に報告があった症例のいくつかはマラリアを疑って治療が開始されていたような・・・)
・海外で入院歴のある患者は耐性菌リスクが極めて高く、耐性菌の保持が否定されるまで予防策をとるのが無難。
・PMID:16407507(freeで読める)によれば、熱帯・亜熱帯から帰国後に病院を受診する患者の主訴は①発熱、②下痢、③皮膚症状。
・FORTHは良く利用するが、それ以外にもFit For Travelは有用。マラリアマップなどの情報が掲載されている。
・輸入感染症診療のClinical Keyは①暴露歴、②渡航地、③潜伏期、④身体的な症状・所見であり、①~③は問診、④は診察・検査で情報を得る。
・PMID:12727414に輸入感染症と潜伏期の関係のヒントがあるが、残念ながらfreeでは読めない。そういえば第2回南九州感染症寺子屋のショートレクチャーでPMID:17492066が紹介され、こちらはfreeで読めた。
・マラリア、デングは血小板が下がる。デングはCRP上がらない。
・デング熱とジカ熱の抗体検査は交差反応がある。
忽那先生は「症例から学ぶ輸入感染症 A to Z 」という本も出しています。今度買いますね。
症例から学ぶ輸入感染症AtoZ [ 忽那賢志 ]
熊本が被災して以来初めて南九州に新幹線で行きました。なんか本数減ってない?震災の影響?とか思って時刻表を調べましたが気のせいでした。いつもは通勤時の、新幹線の本数の多い時間帯に乗っていたため、少し遅い時間帯に新幹線に乗ろうとしたら本数が少なく感じただけでした・・・
特別講演はいつもメジャーリーガー級の凄い先生方が講演され、この会の楽しみの1つですが、今回はドクターGや情熱大陸にも出演した経験のあるスーパードクター、忽那賢志先生でした。
俺が忽那先生の事を知ったのは某ブログがきっかけで、ゲストライターをされていた記事を読んで「こんな面白いブログ記事を書く先生がいるんだな」と思っていました。直接の知り合いでも何でもないのに俺の病院の薬局では忽那先生は人気者です。忙しくてもうブログの記事は書けないんですかね。
特別講演で新たに得られた&改めて重要に感じた知見は、
・輸入感染症はフォーカスがはっきりしない事が多い。
・輸入感染症は通常の鑑別診断に加えるもの。基本的な鑑別診断をまず先に挙げることが大事。
・マラリアの除外は結構大変。連日3回ギムザ染色を行ってまずはマラリアを除外する。(そういえば昨年エボラがPHEIC宣言された際に報告があった症例のいくつかはマラリアを疑って治療が開始されていたような・・・)
・海外で入院歴のある患者は耐性菌リスクが極めて高く、耐性菌の保持が否定されるまで予防策をとるのが無難。
・PMID:16407507(freeで読める)によれば、熱帯・亜熱帯から帰国後に病院を受診する患者の主訴は①発熱、②下痢、③皮膚症状。
・FORTHは良く利用するが、それ以外にもFit For Travelは有用。マラリアマップなどの情報が掲載されている。
・輸入感染症診療のClinical Keyは①暴露歴、②渡航地、③潜伏期、④身体的な症状・所見であり、①~③は問診、④は診察・検査で情報を得る。
・PMID:12727414に輸入感染症と潜伏期の関係のヒントがあるが、残念ながらfreeでは読めない。そういえば第2回南九州感染症寺子屋のショートレクチャーでPMID:17492066が紹介され、こちらはfreeで読めた。
・マラリア、デングは血小板が下がる。デングはCRP上がらない。
・デング熱とジカ熱の抗体検査は交差反応がある。
忽那先生は「症例から学ぶ輸入感染症 A to Z 」という本も出しています。今度買いますね。
症例から学ぶ輸入感染症AtoZ [ 忽那賢志 ]
bigvoice212065 at 23:11|Permalink│Comments(0)
第8回南九州感染症寺子屋に参加してみた。2
Tです。
第8回南九州感染症寺子屋のグループワークでは悔しい思いをしました。
ケーススタディの1題目はAAE症例でしたが、頭の片隅にも全く浮かびませんでした。ファシリテーターの先生に「CFPM脳症って知ってる?」と言われても正直、ピンと来なかったです。抗菌薬誘発の中枢神経性有害事象ってキノロンやカルバペネムという印象を持っていたのですが・・・
薬の様々なリスクから患者を守るのが薬剤師の職能であるはずなのに、鑑別に挙げることが出来なかったのは致命的、とまではいかなくてもかなり恥ずかしい。今後の為に、内容をしっかりまとめておきます。
・2012年6月12日にFDAがCFPMによって誘発されるNCSE(非痙攣性てんかん)に関するSafety Announcementを発表。
FAERSに報告されたデータによると、1996~2012年の16年間で59例。58例が腎機能低下。56例が投与量の調節がなされていなかった。43例がCFPM投与中止もしくは透析により回復。3例は重篤な神経障害後遺症を残した。
・ICUにおけるCFPMの中枢毒性(PMID:24200036、freeで読める)
ICUでCFPMが3日以上投与された100人を後ろ向きに解析。平均年齢65.8歳、CFPM投与量中央値2.5g/day、投与期間中央値6日間。腎機能障害84例、AKI77例、CKD40例。
CFPM脳症疑い15例、うち7例は確定。症状は意識障害13例、ミオクローヌス11例、見当識障害6例、NCSE1例。
腎機能に応じて適切に減量されていた症例の割合は非脳症群75.3%、脳症群28.6%。
・AAE(抗菌薬誘発性の脳症)のシステマティック・レビュー(PMID:26888997)
精神症状がスルホンアミド、キノロン、マクロライドで多かった。痙攣がペニシリン、セファロスポリンで多かった。小脳性運動失調がメトロニダゾールで多かった。
しかしAAEに関しては本当に全く意識していなかった。CFPM脳症に関して今度JADERで解析してみようかな。
第8回南九州感染症寺子屋のグループワークでは悔しい思いをしました。
ケーススタディの1題目はAAE症例でしたが、頭の片隅にも全く浮かびませんでした。ファシリテーターの先生に「CFPM脳症って知ってる?」と言われても正直、ピンと来なかったです。抗菌薬誘発の中枢神経性有害事象ってキノロンやカルバペネムという印象を持っていたのですが・・・
薬の様々なリスクから患者を守るのが薬剤師の職能であるはずなのに、鑑別に挙げることが出来なかったのは致命的、とまではいかなくてもかなり恥ずかしい。今後の為に、内容をしっかりまとめておきます。
・2012年6月12日にFDAがCFPMによって誘発されるNCSE(非痙攣性てんかん)に関するSafety Announcementを発表。
FAERSに報告されたデータによると、1996~2012年の16年間で59例。58例が腎機能低下。56例が投与量の調節がなされていなかった。43例がCFPM投与中止もしくは透析により回復。3例は重篤な神経障害後遺症を残した。
・ICUにおけるCFPMの中枢毒性(PMID:24200036、freeで読める)
ICUでCFPMが3日以上投与された100人を後ろ向きに解析。平均年齢65.8歳、CFPM投与量中央値2.5g/day、投与期間中央値6日間。腎機能障害84例、AKI77例、CKD40例。
CFPM脳症疑い15例、うち7例は確定。症状は意識障害13例、ミオクローヌス11例、見当識障害6例、NCSE1例。
腎機能に応じて適切に減量されていた症例の割合は非脳症群75.3%、脳症群28.6%。
・AAE(抗菌薬誘発性の脳症)のシステマティック・レビュー(PMID:26888997)
精神症状がスルホンアミド、キノロン、マクロライドで多かった。痙攣がペニシリン、セファロスポリンで多かった。小脳性運動失調がメトロニダゾールで多かった。
しかしAAEに関しては本当に全く意識していなかった。CFPM脳症に関して今度JADERで解析してみようかな。
bigvoice212065 at 23:37|Permalink│Comments(0)