骨粗鬆症治療薬のまとめ

2013年02月27日

骨粗鬆症治療薬のまとめ6

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               〈ビスホスホネート薬〉
・種類
第一世代:エチドロネート(側鎖に窒素を含まない)
第二世代:アレンドロネート(側鎖に窒素を含むが、環状構造を有しない)
第三世代:リセドロネート、ミノドロン酸(側鎖に窒素を含み環状構造を有する)

・特徴
ビスホスホネートを取り込んだ破骨細胞はアポトーシスに至り、骨吸収機能が抑制される。
腸管から吸収されたビスホスホネートは,服薬が一定期間行われずに血中濃度が低下しても骨中に沈着してその有効性を発揮する。

・服薬における注意事項
消化管からの吸収率が低いため、水以外の飲食物は服用後30 分以上経ってから摂取しなければならず、なかでもカルシウムはなるべく間隔を空けてから摂取する必要がある。
服用の際、水道水は問題ないが、カルシウムの多いミネラルウォーターで服用するとビスホスホネートの吸収が阻害されるため、避ける。
嚥下障害、嚥下困難、食道炎、胃炎、十二指腸炎または潰瘍などの上部消化管障害を有する例では慎重な投与が必要である。

・副作用
上部消化管障害発生率が比較的高いので、コップ一杯の水とともに服用すること、飲んでから30 分間は横にならないことを十分に指導する。
近年、顎骨壊死の発生率が報告されている。窒素含有ビスホスホネート,とりわけ注射剤での頻度が高く、抜歯などの侵襲的歯科治療後に発生することが多い。飲酒・喫煙、糖尿病、ステロイド薬使用、肥満、抗がん療法、口腔内衛生不良が危険因子となる。
ビスホスホネート薬服用中に侵襲的な歯科治療が必要となった際には服用期間が3 年未満で危険因子がない場合には原則として休薬せずに継続、服用期間が3 年以上の場合や、3 年未満でも危険因子がある場合には医師と歯科医とが事前に話し合って方針を決める。休薬の期間は定まっていないが、3 ヵ月間が推奨されている。
長期にわたるビスホスホネート服用で、大腿骨転子下および骨幹部骨折の報告があるが、発生率が低いため、実際に問題となることは少ない。
その他、インフルエンザ様症状などの急性期反応、因果関係不明の心房細動など。

・各論
①エチドロネート(第一世代)
日本最初のビスホスホネート。骨吸収抑制効果と骨形成阻害効果の発現の差が小さく、前者の作用を示す量の2 倍程度の用量で骨石灰化抑制による骨軟化症を引き起こす可能性があり、注意が必要。狭い安全域を有効に臨床利用するために、周期的間歇投与法が採用されている。

・骨密度に対する効果はあるか
現在までに施行されたエチドロネートに関する臨床試験からエチドロネートの効果について明確な結論を導くには不十分である。国内のRCTは4 つあり、明らかな骨代謝マーカー低下効果、骨量増加効果、さらには、症例数が少なく信頼性は低いものの椎体骨折抑制効果を示唆している。

・骨折抑制効果はあるか
メタアナリシスの結果、椎体骨折の二次予防は、エチドロネート400 mg/ 日投与で有意な骨折リスクの低下が示された。椎体骨折の一次予防および非椎体骨折に対しては一次・二次予防のいずれも骨折リスクの有意な低下は認められなかった。

・評価と推奨
骨密度:グレードA
椎体骨折:グレードB
非椎体骨折:グレードC
大腿骨近位部骨折骨折:グレードC



bigvoice212065 at 22:18コメント(0) 

2013年03月01日

骨粗鬆症治療薬のまとめ7

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②アレンドロネート(第二世代)
・骨密度に対する効果はあるか
RCTで10 年間で腰椎骨密度は最大13.7%上昇し、国内のRCTでも3 年間で腰椎骨密度は9.2%上昇した。
ただし、DXAによる橈骨測定や超音波による測定では10 年間の投与でも有意差は得られていない。
カルシトリオールとの併用は有意に腰椎骨密度が上昇し、血清PTH値の低下と骨密度上昇との間に相関が認められたとの報告がある。

・骨折抑制効果はあるか
閉経後骨粗鬆症において、椎体骨折、非椎体骨折、大腿骨近位部骨折、手関節部骨折に対する抑制効果が確認されている。
5 年間のアレンドロネート治療後さらに5 年間治療を継続する群とプラセボ投与群の試験の解析では、治療を継続した群では有意に椎体骨折が抑制された。
重症骨粗鬆症において、活性型ビタミンD3薬を併用することでより優れた骨折抑制効果が示されており、骨折予防の観点からは活性型ビタミンD3薬の併用が推奨される。
男性骨粗鬆症においても椎体骨折抑制効果が確認されている。

・QOLに対する効果はあるか
海外のRCTにおいて腰痛による臥床期間や活動制限日数の有意な減少が示され、国内のRCTにおいて関節痛、疼痛関連QOLの有意な改善とともに、4 ヵ月後にアルファカルシドールに変更した例では疼痛とQOL が悪化したことが示されている。
単独、活性化ビタミンD併用ともに痛みや総合的健康度を改善したとされる。

・評価と推奨
骨密度:グレードA
椎体骨折:グレードA
非椎体骨折:グレードA
大腿骨近位部骨折:グレードA

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2013年03月04日

骨粗鬆症治療薬のまとめ8

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③リセドロン酸(第三世代)

・骨密度に対する効果はあるか
メタアナリシスによると、連日5 mg投与は腰椎と大腿骨頸部の骨密度を上昇させる。
国内の臨床試験で、週1 回17.5mg 48 週の投与は腰椎骨密度上昇率は2.5 mg/ 日連日投与に劣らないことが認められた。
海外の臨床試験では、5 mg/日投与による大腿骨頸部と大腿骨転子部の骨密度上昇がプラセボより有意に大きいと報告されている。また週1 回35 mg投与は連日5 mg投与と同様の効果であった。
男性骨粗鬆症でも海外の週1 回35mg の2 年間のリセドロネート投与は女性骨粗鬆症と同様に腰椎骨密度を上昇させる。
国内の2.5 mg/ 日連日投与の12 ヵ月の特定使用成績調査において、男性の腰椎骨密度増加は女性の増加率と同等であった。

・骨折抑制効果はあるか
メタアナリシスによると椎体骨折、非椎体骨折、すべての骨折、臨床骨折の抑制効果があると報告されている。
17.5 mgの週1回投与は2.5mgの連日投与と椎体骨折の抑制効果が同等である。
海外の2つの大規模試験(連日5 mg)では、3年間の新規椎体骨折リスクをそれぞれ41%、49%抑制し、抑制効果は投与開始後1年目からすでに認められた。また、非椎体骨折についても発生リスクを40%低下させた。
大腿骨頸部骨折を主要評価項目とした海外の大規模臨床試験(連日2.5 mg,5 mg)では3 年間のリセドロネートの効果が検証された。特に70 ~ 79 歳の骨粗鬆症患者での大腿骨頸部骨折発生率は40%抑制された。
試験開始時にすでに椎体骨折を有していた例では60%の抑制効果が認められた。
骨粗鬆症以外の骨折危険因子のみの患者では、有意に抑制されなかった。

・QOLに対する効果はあるか
国内の連日2.5 mg、 96 週投与の臨床試験で、投与前と比較して日常役割機能(身体)、体の痛み、活力、社会生活機能を改善した。

・評価と推奨
骨密度:グレードA
椎体骨折:グレードA
非椎体骨折:グレードA
大腿骨近位部骨折:グレードA

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2013年03月05日

骨粗鬆症治療薬のまとめ9

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③ミノドロン酸(第三世代、国内で開発された唯一のビスホスホネート。)
現在国内で用いられているビスホスホネート薬の中で、最も強力な骨吸収抑制作用を有する。

・骨密度に対する効果はあるか
国内の第Ⅲ相骨密度試験において、1 年間ミノドロン酸1 mg連日投与群とアレンドロネート5mg連日投与群との二重盲検下で非劣性が確認された。
骨粗鬆症患者を対象に実施したプラセボ対照二重盲検比較試験で、ミノドロン酸1 mg連日投与群は年齢にかかわらず有意な骨密度上昇がみられた。
骨粗鬆症患者を対象にした大腿骨近位部骨密度データに基づいたhip structure analysis(HSA)の結果では、1年間のミノドロン酸1 mg連日投与によって骨強度指数の有意な上昇が観察された。

・骨折抑制効果はあるか
国内第Ⅲ相骨折試験で、プラセボを対照とした2年間のミノドロン酸1 mg連日投与の骨折発生率の比較が行われ、59%の骨折リスクの低下を示した。
非椎体骨折・大腿骨近位部骨折予防効果を主評価項目として検証した臨床試験はこれまで実施されていない。

・QOLに対する効果はあるか
骨粗鬆症または変形性脊椎症、変形性関節症のため腰背部痛、膝関節痛を対象にした臨床研究では、8週間の1 mg連日投与により疼痛が有意に改善した。
腰背部痛を有する骨粗鬆症患者を対象にした臨床研究では、24週間の1 mg連日投与により腰背部痛の改善が得られた。
どちらも少数例の日本人骨粗鬆症患者を対象とした臨床研究であり、大規模臨床試験の結果が待たれる。

・評価と推奨
骨密度:グレードA
椎体骨折:グレードA
非椎体骨折:グレードC
大腿骨近位部骨折:グレードC

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2013年03月06日

骨粗鬆症治療薬のまとめ10

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       〈選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)〉
①ラロキシフェン
エストロゲン受容体にエストロゲンとほぼ同等の親和性で結合し、組織選択的な薬理作用を発現する。
乳房や子宮ではエストロゲン様作用を発現しないが、骨などに対してはエストロゲン様作用を発揮する。
静脈血栓塞栓症(VTE)が重要な有害事象であったが、国内の3 年間の製造販売後調査におけるVTEの発現率は0.2%であった。

・骨密度に対する効果はあるか
腰椎および大腿骨骨密度は投与1 年後に有意な上昇が認められ、以後、投与期間を通じて維持された。
投与7 年後も腰椎骨密度の上昇が示された。

・骨折抑制効果はあるか
海外の大規模RCTにおいて、新規椎体骨折抑制効果は、投与1 年目から認められ、4 年目の効果も3 年目までとほとんど変わらなかった。椎体骨折発生率は3 年間で60%低下した。
上記試験では有意な非椎体骨折抑制効果は示されていないが、重症椎体骨折を有する症例を対象に追加解析を行った結果、有意な差を認めた。
米国の観察研究ではラロキシフェンとアレンドロネート、リセドロネート群の非椎体骨折発生率に相違はほとんどみられなかった。

・QOLに対する効果はあるか
ドイツでの多施設共同研究で、特に高代謝回転によると考えられる全身的な骨痛が、67.6%もの相対的減少を示した。
国内の観察研究において、娯楽・社会的活動、姿勢・体型を除くすべてのドメインおよび総合点で有意な改善を認め、特に「痛み」に最も大きな改善が認められた。
さらに閉経後女性に対するラロキシフェン治療は、あらゆる原因による死亡率を10%低下させることが、様々な試験の統合解析で示されている。

・評価と推奨
骨密度:グレードA
椎体骨折:グレードA
非椎体骨折:グレードB
大腿骨近位部骨折:グレードC

bigvoice212065 at 17:27コメント(0) 
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